第二章 ~ヘルゼアス戦争~ 三十六話
~ビーチタウン~
一人で砂浜に向かっていってしまったマッスル。
それについていってしまったメロン。
案内役をなくしたシャドウ達は、今後のことを話し合っていた。
シャドウ「やはり一つとなって探していては見つからないか。」
ラルド「じゃあ単独行動?」
ラルドの早い返事に戸惑ったが、シャドウは答えた。
シャドウ「・・・・・そうだな。」
そして、シャドウ達は手分けして空間を歪ませたチャオを探す事にした。
分かれて一人になったシャドウは、またミインの家に入った。
~ミインの家~
ミインは部屋を掃除していたが、シャドウが来たことに驚き、手をとめた。
ミイン「ど、どうしたの?まだ何か見てもらいたいの?」
シャドウ「聞きたいことがある。この町に空間を歪ませる能力を持ったチャオはいないか?」
状況が飲めないミインはシャドウに聞き返した。
ミイン「も、もっとゆっくり。」
シャドウ「貴様には言われたくなかった。」
シャドウはミインを上から見下しながら言った。
ミイン「そ、そんな・・・・・。」
ミインはガッカリとするが、シャドウも容赦なしに言葉を放つ。
シャドウ「そんな事はどうでもいい。この町にそのようなチャオがいるか知らないか?」
ミインも気を取り直し、シャドウの質問に答える。
ミイン「うーん、知らないねぇ。」
シャドウ「・・・・・そうか。他をあたる。」
ミイン「いや、待って。」
家を出て行こうとするシャドウを、ミインはとめた。
シャドウ「何だ?」
ミイン「空間を歪ませることが出来るかどうかは知らないけど、この間ビーチタウンにこの国の兵士が一人来たよ。」
シャドウ「その兵士は今何処にいる?」
ミイン「確か、ゼアスの方へ向かって行ったけど、少ししたら戻ってきて・・・・・。今はヘルズ城じゃないかな。そういえば、その人は此処の兵士にしては珍しく話せる人だったなぁ。」
シャドウは聞き返した。
シャドウ「此処の兵士には話が通じない、と聞いたのだが・・・・・。」
ミイン「うーん、そうだねぇ。戦争始めの頃は話せたんだけど、近頃になって兵士さん達が急に機械の兵士と入れ替わったからね。」
シャドウはしばらく考え、ポツリと言葉をこぼした。
シャドウ「この国にも何かありそうだな・・・・・。」
ミイン「そうだね。でも、あの人には是非会って欲しいね。ビックリするよ、此処の兵士らしくない、ってさ。多分、あの人は機械じゃないと思うよ。」
シャドウ「・・・・・そうか。情報提供ありがとう。」
シャドウはミインの家を出た。
ミイン「・・・・・何でさっきみんなで入ってきた時に聞かなかったんだろ?」
シャドウ(ヤツの押しは封じなければまともな会話が出来ないな・・・・・。)
続く