第二章 ~ヘルゼアス戦争~ 三十五話
~ミインの家~
どうやら未来が見えたらしく、ミインは声をあげた。
ナイツ「ど、どうだったのですか?」
ナイツがおそるおそる聞くが、ミインはお構いなしに即答した。
ミイン「其処の黄緑の方と幸せそうに暮らしてるね。良い未来だ。」
ミインはエイリアを指差して言った。
エイリア「私と幸せそうに暮らしてる?もう、そんな大声で言わないでよぉ!」
マッスル(こんだけ見せしめのようにイチャイチャしててそれはないだろ・・・・・。)
と、マッスルは思ったが、少しでも声に出すと何をされるか分からないので声には出さなかった。
ナイツ「そ、そっか。良かったぁ・・・・・。」
ナイツはホッと胸をなでおろして、ミインから離れた。
ミイン「じゃあ、次は誰の未来を見ようか?」
オリ「・・・・・俺の未来を見てくれ。」
オリはミインの前に立った。
シャドウ「オリが自分からすすんで行くとは珍しい。」
オリは黙って、ミインに未来を見てもらった。
ミイン「おぉ、見えたよ!」
ミインはオリの顔を見て声をあげた。
オリ「どのような未来だ?」
ミイン「何か銃を撃ちまくってるね。相手は、何か黒いモヤモヤ。ハッキリは見えないね。」
その曖昧な答えにオリは困ったような顔をし、質問をした。
オリ「それはいつ頃の話だ?」
ミイン「うーん、分からないよ。僕の未来予知は何年先とか決まってないからさぁ・・・・・。」
その言葉に、今度はシャドウが質問をした。
シャドウ「決まってない、と言うと?」
ミイン「未来予知をする度に、どの程度先とかが違うんだよね。例えば、さっきの紫の方の場合は数年後の未来かも知れないし、今やった黒い方は数ヵ月後の未来かも知れないし。」
シャドウ「そうか。」
そして、ミインはマッスルを見た。
マッスル「もしかして、俺の未来を見たいのか?」
ミイン「正解だよ。君の未来は何か気になるねぇ。いい体してるし、プロレスとかやってるかもね。」
ミインは笑いながら言った。
マッスル「何かヤダけど、俺自身も気になるからやってみるわ。もしイヤな未来だったら、どうにかして変えて見せるよ。」
ミイン「おぉ、良くぞ言ったね。じゃあ、おいで?」
ミインに手招きされたマッスルは、ナイリアをナイツにおぶせ、ミインの前に立った。
ミイン「むむむ・・・・・。」
ミインの瞳の色は薄くなり、未来を見始めた。
マッスルも、結果が出るのを真剣に待っている。
ミイン「むむむ・・・・・?何でだろ。見えないね。」
マッスル「見えない?俺のさっきの覚悟はどうしてくれるんだ。」
ミイン「いや、それは知らないけど、こんな事は滅多にないよ。」
ラルド「そんな事あるんだね。」
ミイン「多分、未来が大きすぎたのかな?もしくは、果てがないか。」
マッスル「それは、死なないって事か?」
ミイン「そうだね。それか、めちゃめちゃ長生きするかのどっちかだよ。」
またの曖昧な結果で、マッスルは複雑な心境でミインから離れた。
ミイン「あと、其処の黒と赤の方からも同じようなのが感じられるね。」
ミインはシャドウを指差していった。
シャドウ「僕も・・・・・か。」
ナイツ「シャドウは100年も封印されてたし、何か納得できるけど何でマッスルは・・・・・・?」
マッスル「知らんよ。とりあえず、俺は頑張れば長生き出来るんだ。納得しなさい。」
ナイツ「うーん・・・・・。」
ミイン「他の方は未来を見なくても良いのですか?」
ラルド、エイリア、バウス、ラインは、ミインのペースに乗せられる前に家を出た。
ミイン「あらら。」
シャドウ「ともかく、世話になったな。」
ミイン「僕も暇だから、いつでも来てね。」
そして、シャドウ達は家を出た。
メロン「あ、どうだった?私と結婚してた?」
メロンはマッスルに問いただした。
マッスル「いや、何か未来が大きすぎて見えない、とか言われた・・・・・。」
メロン「え、放送禁止用語が出てきちゃうくらい愛を育んでたの?」
マッスル「違う。断じて違うぞ。」
メロン「照れなくてもイインダヨ!」
マッスル「バイバイ。」
マッスルは砂浜の方へ歩いていった。
メロン「あ、待てよ!」
そして、メロンも追いかけて行ってしまった。
シャドウ「・・・・・さて、どうしようか。」
続く