第二章 ~ヘルゼアス戦争~ 三十話
~ヘルズ~
ヘルズの面積は、ゼアスとセイを足して同じくらいの面積だ。
もうシャドウ達は充分に歩いているのだが、周りの綺麗な景色は一向に大きな変化を見せようとしない。
ナイリア「ねぇねぇ、あとどれくらいー?」
ナイリアはオリに話し掛けた。
オリ「俺は知らない。俺もヘルズに来るのは初めてだからな。」
ナイリア「~~~~~・・・・・。」
ナイリアは歩くのに疲れたようで、少しぐったりとした表情を見せている。
それを見たナイツがオリに尋ねた。
ナイツ「僕が空からどのくらいあるか見てきていい?」
オリ「いや、そう目立つ行動はしない方が良いだろう。」
ナイツ「そっか・・・・・・。」
そのナイツを見て、マッスルがナイリアに話し掛けた。
マッスル「おぶってやろうか?」
ナイリア「え・・・・・。いいよ、まだ歩けるし・・・・・。」
マッスル「そうか?別に遠慮なんかしなくてもいいんだけどな。何せ俺だし。」
マッスルは笑いながら言った。
ナイリア「じゃあ・・・・・・。」
ナイリアはマッスルの背中に飛び乗った。
マッスル「お、やっぱ軽いな。」
ナイリア「・・・・・そう?」
マッスル「まぁ、俺が重く感じるものなんてそうは無いけどな。」
マッスルはまた笑いながら言った。
ナイリアも苦笑いをしてマッスルに寄りかかった。
ナイツはマッスルに近づいて小声で
「ありがと。」
といった。
マッスルも笑顔で返し、歩き始めた。
そして、しばらく歩いたところで今度はシャドウがオリに尋ねた。
シャドウ「町がいくつくらいある、とかは分からないのか?」
オリ「正確な数は分からないが、ヘルズには結構な数の町があると思う。」
シャドウ「・・・・・これだけ歩いて1つも町が見つからないのはおかしくないか?」
オリ「・・・・・・どう言うことだ?」
シャドウ「前にもキャプシティの近くの森で似たようなことがあったらしい・・・・・・。」
それを聞いていたラルドが言った。
ラルド「空間が歪んでる・・・・・。」
オリは驚きながら言った。
オリ「な、空間が歪むなんて事は・・・・・!」
シャドウ「いや、前に空間を歪ませていた者はメカ・・・・・。もとは普通のチャオだったそうだが、メカに改造されたそうだ。ヘルズはメカチャオを何体も所持しているんだ。その中に空間を歪ませることが出来るヤツがいてもおかしくはない。」
ラルド「あの量産型ではないだろうけどね。・・・・・三人衆の可能性もあり得ないことはない・・・・・ね。」
オリ「・・・・・機械が其処までこの星を危機に陥れているとはな。」
そして、其処で出てきた疑問をオリはシャドウにぶつけた。
オリ「これからどうすれば良いんだ?」
シャドウ「空間が歪んでいない方向が1つある。その者自身が空間の歪みに巻き込まれない方向。その方向へ進めば敵はいる。」
オリ「そ、それでどうするんだ?」
ラルド「前はナイリアが周りにレーザー撃って戻ってこなかった方向を見つけたけど、今回ナイリアは眠っちゃってるみたいだし。代わりに、お母さんのエイリアに頑張ってもらおうか?」
エイリアはラルドやシャドウとは少し離れて歩いているので聞こえていないみたいだ。
ラルド「エイリアぁ~。気付けぇ~。こっち向けぇ~。」
ラルドは気付かないエイリアの方を向いて変な動きをしている。
しばらくして気付いたエイリアは、ラルドの動きを見て驚いた。
エイリア「ど、どうしたの?」
ラルド「これぞ念力。」
オリ(・・・・・コイツはバカなのか?)
シャドウ「・・・・・これが風の狼だ。」
オリ「・・・・・あぁ。緊張感がない狼だ。」
ラルドは冷めたリアクションに戸惑ったが、上手く流してエイリアに説明を始めた。
続く