第二章 ~ヘルゼアス戦争~ 二十四話 セイ~ヘルズ国境編
~セイ上空~
オリ「・・・・・お前を拾って正解だった。」
ライン「え?あ・・・・・。」
オリの視線の先、ヘルズの方には1000体はいるヘルズのメカチャオ。
オリは、セイとヘルズの国境に向かって空飛ぶバイクを走らせた。
そして、国境付近に着陸した。
オリ「一体も残らず破壊する。一体一体の力は、そこらのチャオよりは少なくとも強い。絶対にセイに侵入させてはいけない。」
ライン「・・・・・はい。」
そして、ラインはいつもの銃を構えた。
オリの両手には、銃身が長細い銃が1本ずつ。
どうやら、オリは2本の銃を使うようだ。
そして、二人の目にメカチャオの頭が少し見えるくらいのところまでメカチャオが近づいてきた。
ラインは唾を飲んだ。
が、なんとオリは少ししか見えない数百メートル先のメカチャオに向かって、両手の銃を連射し始めた。
それに、音とオリの周りに広がる衝撃から、おそらくはオロの銃よりも重く強い銃と弾。
とても鋭く発射されているようにも見える。
銃身が長細いのはこのためだろう。
さらに驚いたのは、メカチャオが次々と破壊されていくところが見えたことだ。
そう、当たっているのだ。
ラインもそれを見て感動したのか、ラインもこの距離から銃を撃ち始めた。
少しも当たりはしないのだが、それでも狙い続け、何匹かを倒した。
400体程度倒したところで、オリの持ち弾がなくなったようだ。
ラインは自分の弾をオリに譲ろうと、弾を差し出そうとオリの方を向くと、さらなる驚きがあった。
なんと、両方の銃に魂の魔法を込めている。
クナとは違い、魔法を弾として使うのではなく、銃自体に魔法をつぎ込み、魔法を発射する武器にするようだ。
しかも、良く見ると片方ずつでボヤボヤ見える魔法の色が違う。
右手の銃は灰色の魂の魔法、左手の銃にはオレンジと黄色を混ぜたような色の何かの魔法。
魔法が注ぎ込み終わると、銃は注ぎ込んだ魔法の色に変わっていた。
そして、またオリは銃を撃ち始めた。
ラインが見る限りでは、灰色の銃から放たれた弾は、ぶつかると強い衝撃が周りに広がる弾。
オレンジ色の銃から放たれた弾は、ぶつかると爆発するような衝撃を起こす弾だ。
そして、次々とメカチャオが破壊されていく。
100体ほどになった頃には、もう距離も50m近くになっていた。
オリは舌打ちをした。
オリ「ライン、接近戦は出来るか?」
ライン「は、はい、出来ます。」
ラインは先日の夜に作った剣を取り出した。
オリ「銃を貸してくれ。俺は上から援護をする。接近戦はまかせた。」
ラインがオリに銃を貸すと、オリは空飛ぶバイクで上へと行った。
ラインは剣を持ち、メカチャオの中へと突っ込んで行った。
ラインは剣を重く感じながらも、その剣の威力に驚いていた。
ゆっくり振っても、綺麗にメカチャオを斬れる。
それに、上からの援護もあり、最後の100体程度のメカチャオを倒すのは早かった。
そして、全滅させるとオリはラインを空飛ぶバイクに乗せた。
オリ「結果が出せて良かった。礼を言う、ライン。ありがとう。」
そのオリの表情は、クールでありながら穏やかであった。
ライン「いえ、全てオリさんのお陰です。ありがとうございます。」
オリ「フ、謙虚だな。さて、隊長達が心配だ。早く行こう。」
オリは空飛ぶバイクを飛ばした。
続く