第二章 ~ヘルゼアス戦争~ 二十四話 ゼアス~ヘルズ国境編
~ゼアスとヘルズの国境~
フィム「さて、隊長さん。貴方が消えれば、ひとまずゼアスは崩れるってもんでしょう。貴方から始末してあげましょう。」
するとゼアス兵隊長は、フィムの方へと歩いていった。
それを見たシャドウは小声でゼアス兵隊長に何か言った。
ゼアス兵隊長はそれに対し、小声でシャドウに返した。
ゼアス兵隊長「ではシャドウ殿、宜しくお願いしますね。」
シャドウは頷いた。
フィム「遅いですよ、何をしているのですか。待つのはキライと言ったでしょう。」
ゼアス兵隊長「待っててくれ、コレだけ言わせてもらう。」
フィムはムッとしたが、敢えて待った。
そして、ゼアス兵隊長はシャドウ達に言った。
ゼアス兵隊長「すみませんが、手を出さないで下さい。仮に私がやられたら、マッスル殿。頑張ってください。」
ゼアス兵隊長は笑いながら言った。
マッスル「もちろん、本気で頑張ります。」
ゼアス兵隊長(ま、私もそう簡単にはやられませんがね・・・・・。)
ゼアス兵隊長「さて、フィムだっけ?覚悟しろよ。」
フィム「待たせといてソレですか。隊長さんも腐ってますね。」
ゼアス兵隊長「ま、そんな事はどうでもいい。さっさとやるぞ。」
すると、フィムは腕を刃の形に変え、襲い掛かってきた。
ゼアス兵隊長も、持っていた剣を構え攻撃を防いだ。
お互いの剣がギリギリと鳴っている。
ゼアス兵隊長「力はそこそこってところだな。よくこんなんでヘルズの上をやってられるな。」
が、フィムの口は笑っていた。
するとフィムの腕は急に液体化し、ゼアス兵隊長の剣を飲み込もうとした。
それでもゼアス兵隊長の反応の方が早かった。
すぐさま後ろに飛んで、フィムから離れた。
が、ゼアス兵隊長は着地した瞬間、また勢い良くフィムの方へ飛び込んだ。
そして、液体化した方の腕を叩き切った。
見事に腕は体から離れ、バシャンと音を立て水たまりとなった。
ゼアス兵隊長「何だ?こんなもんじゃないだろ?」
ゼアス兵隊長は舌打ちを2回、チッチッとして言った。
フィム「やりますねぇ。今まで貴方の一対一は見た事がありませんでしたからね。予想外です。」
そう言うと、また水たまりは腕の形となり、フィムの体にくっ付いた。
この凄まじい攻防にマッスル達は感動しながらも、この緊迫した空気の中、息をのんで二人の戦いを見ていた。
すると、ゼアス兵隊長は両足を開き、剣を片手で足の間におろし、上目遣いでフィムを見た。
フィム「こ、これは・・・・・・?」
怖いもの知らずのフィムも、この時ばかりはゼアス兵隊長の威圧感に恐怖を覚えた。
ゼアス兵隊長「そうだよな、これはタイマン用の技だからな。今までお前らは見たことがなかっただろ。行くぞ、【伍星・弐割】!」
そして、フィムの視界からゼアス兵隊長はいなくなった。
フィム「どう言うことですか、コレは・・・・・。上か!」
フィムは上に気を感じ、上を向いた。
が、上にあったのはゼアス兵隊長の剣。
ゼアス兵隊長「残念だな、目の前だよ。」
フィムは驚いたが、その頃にはもうゼアス兵隊長の技を受けていた。
首の付け根と両腕の付け根と両足の付け根を手で突かれた。
すると、フィムは麻痺をしているように痙攣し、動けなくなった。
その時、上にあった剣が勢い良く落ちてきた。
ゼアス兵隊長「じゃあな、雑魚ちゃん。」
フィム「グゥ、ふざけるな!」
フィムは動かない体を無理矢理動かし、剣を避けた。
それと同時に、ゼアス兵隊長の腕を液体化した体に突っ込み、ゆっくり金属化していった。
凄まじい硬さの金属はゼアス兵隊長の腕を強く圧迫し、潰そうとした。
ゼアス兵隊長「へ、油断しちまったな・・・・・。」
フィムも先程のダメージがあるのか、金属化がゆっくりだ。
が、このままではゼアス兵隊長の腕が潰されるのは時間の問題。
両者動かないまま、少しずつ時間は進んでいった。
続く