第二章 ~ヘルゼアス戦争~ 二十一話
~出発の朝~
一番早く起きたのはバウスのようだった。
昨日、ベッドに飛び込んでそのまま眠りについてしまったバウスは、剣が完成したのを知らないので、部屋に立てかけてある剣をみて驚いた。
バウスは剣に近づき、触ってみた。
バウス(ど、どういう事じゃ?硬さもしっかりしてる・・・・・。)
昨日と同じ場所に金属の部品が置かれていることから、金属の部品が使われていないことは分かる。
考えても答えが出ないので、バウスは金属の部品を返しに行こうと金属の部品を持ち上げた。
が、持ち上げてすぐに部品を一つ落としてしまった。
バウスは驚いて全部落としそうになったが、なんとかゆっくり降ろし、部品を拾った。
ラルド「・・・・・バウス?」
ラルドは部品が落ちた音で目が覚めたようだ。
バウス「・・・・・起こしてしまったか。すまんの。」
ラルド「いやいや、気にしないで。何処行くの?」
バウス「稽古場にこの部品を返しに行こうと思ってな。」
ラルド「ふーん、いいよ。手伝うよ。」
するとラルドはバウスが持っていた部品を半分ほど持ち上げた。
バウス「すまんの。」
そして、二人は稽古場に向かった。
~城内~
バウス「それより・・・・・。」
ラルド「ん?」
寝起きのせいか、バウスの目にはラルドが少しおっとりして見えた。
だが、そんな事を考え始めると言いたいことを忘れてしまうので、すぐに言葉に出した。
バウス「あの剣、どうやって作ったんじゃ?」
ラルド「アレはね・・・・・。」
すると突然、城内で大きな放送が流れた。
「緊急です。ゼアスとヘルズの国境付近にヘルズの機械兵が攻め込んできました。兵は大至急、戦闘準備を。」
アナウンスの中、兵がバイクのような乗り物にのって城の外へ出て行く。
城の周りは掘り下げてあるので、ゼアス兵には空を飛べるバイクのような物があるらしい。
ラルド「ゴメンね、バウス。また後で教えてあげるよ。シャドウ達にもよろしくね!」
するとラルドは城を走って出て行った。
掘り下げてあるところを簡単に飛び越え、凄まじいスピードで兵を追った。
バウス「ホントに男勝りな娘(こ)じゃな・・・・・。」
バウスはすぐに金属の部品を稽古場の元に置いてあった場所に戻し、自分達の部屋へと急いだ。
が、部屋に戻る前にアナウンスを聞きつけたシャドウ達と合流した。
シャドウ「バウス!」
バウス「おぉ、シャドウ!ラルドは先に行ってしまったぞ。早く追いつこう!」
シャドウ「あぁ、分かっている。」
そして仲間達はシャドウに近づき、カオス・シャドウで城の外にワープした。
シャドウがバウスを背負い、ナイツがエイリアを持ちあげて空を飛び、マッスル、ライン、ナイリアは単独で、ゼアスとヘルズの国境に向かって走り出した。
続く