第二章 ~ヘルゼアス戦争~ 二十話

ナミル姫を見つけたシャドウは、ベランダへの扉を開けた。

~3階ベランダ~

シャドウ「ナミル姫様・・・・・・?」

すると、石で出来た柵に腕を置いて空を見ていたナミルは、こちらを向いた。

ナミル「あら、シャドウさん。どうしたのですか?」

シャドウ「いえ、夜一人で外にいては危険ではないかと思って・・・・・。」

シャドウは扉を閉め、ナミルに近づいた。

ナミル「優しいのですね。」

シャドウ「い、いえ、そんなことは・・・・・・。」

ナミル「照れなくても良いのですよ。本当のことなんですから。」

シャドウ「・・・・・・。」

ナミル「それにしても・・・・・。こんなに近くに伝説のチャオがいるのに、今普通に話してるなんて。おかしい話ですね。」

ナミルはクスクスと笑った。

シャドウ「伝説と言っても・・・・・。所詮は普通のチャオですよ。」

ナミル「そうですよね。こんなに感情を持って、色々なチャオと接し、色々な事をしている。普通のチャオと、何にも変わらないんですよね。・・・・・でも、伝説って言われる程立派なことをしたのも事実ですよ。」

シャドウ「そんなこと・・・・・。僕はチャオ星を守りたかっただけです。」

ナミル「やっぱり立派ですね・・・・・。私も、国を代表する者の一人として、国を守れる力が欲しいです・・・・・。無力ですよね・・・・・。」

ナミルは悲しげな表情を浮かべた。

シャドウ「何を言っているのですか。」

ナミル「え?」

シャドウ「貴方自身に戦う力がなくても、貴方は人を強くする力があります。気持ちが強い人は、周りの人を動かす事が出来るのです。」

ナミル「そう・・・・・なのですか。・・・・・シャドウさんに言われると自信が出てきますね。ありがとうございます。」

シャドウ「・・・・・失礼しました。」

その時、ベランダと城を繋ぐ扉が開いた。

ナミル「あれ、ナイツさん?」

其処に立っていたのはナイツ。

が、シャドウの目付きは鋭く変わっていた。

シャドウ「ナイツではないな。何者だ。」

???「チッ、何故こうもバレてしまうのですかね。」

???は、緑のメカチャオに姿を変えた。

ナミル「え、機械・・・・・!」

フィム「どうも、ヘルズ三人衆のフィムと申します。」

シャドウ「何故ヘルズの者が此処にいる?」

フィム「はい?私は昼間からいましたよ。此処の兵士の姿でしたがね。」

フィムは笑いながら言った。

フィム「そうそう、明日皆さんでヘルズに来るそうですね。どうぞどうぞ、明日ですね。ちゃんと兵士共を向かわせますよ。それまでは手を出さないであげますから、ちゃんと強くなってくださいね。ではでは。」

フィムはそう言うと、緑の液体になり排水口に入って何処かへと消えた。

シャドウ「・・・・・。」

ナミル「あんな人達がいるなんて・・・・・。」

シャドウ「心配しないで下さい。僕達が、明日戦争を終わらせます。」

ナミル「すいません、本当にこれしか言えません。お気をつけて・・・・・・。」

シャドウ「・・・・・はい。では。」

シャドウは部屋へと戻っていった。


続く

このページについて
掲載号
週刊チャオ第250号
ページ番号
102 / 231
この作品について
タイトル
シャドウの冒険3
作者
ダーク
初回掲載
週刊チャオ第158号
最終掲載
2012年9月6日
連載期間
約7年5ヵ月14日