第二章 ~ヘルゼアス戦争~ 十八話

崩れない剣を見て、驚くシャドウ達。

マッスルとラルドの質問に、エイリアは答えた。

エイリア「え、それはね・・・・・。水の魔法だよ。」

そう、水の魔法だ。

剣を水を吸い、粘土のようになり、全てがくっついたのだ。

それを見たシャドウが言った。

シャドウ「だが、これでは斬れないどころか、振れないんじゃないか?」

剣は、水を吸った分大きめの上に硬さがなく、武器として使えたものではない。

それでもエイリアには考えがあるらしい。

エイリア「いやいや、まだ完成じゃないよ。マッスルとラルドでもう一回挟んで見て。」

次は、マッスルとラルドに剣を圧縮させるように言ったエイリア。

今度は形が最初から出来ているので、それ程形は崩れない。

ラルド「さっきよりはコンパクトにまとめられたね。」

マッスル「強く押しすぎて少し平べったくなっちまったけどな。」

それに、強く力を加えたため、少し水が出てきた。

シャドウ「・・・・・部屋を借りてるのだからな?マッスル、後で乾かしておいてくれ。」

マッスル(俺だけのせい!?)

大きさの問題は解消したが、硬さの問題がある。

水がしぼり出てきたことにより、大分硬くなったが、それでもまだ実戦では使えない程度だ。

するとエイリアは、剣を火の魔法で熱し始めた。

エイリア「みんな、火に気をつけてね。」

剣は少しずつ水分を失っていき、硬さを増していった。

そして、硬さがピークになった頃に加熱をやめた。

エイリア「どうだろ。」

エイリアはそう言うと、ラインに剣を差し出した。

ライン「あ、はい。」

そして、ラインを剣を持ち、軽く振ってみた。

ライン「少し重いけど、良い感じだと思う。」

エイリア「ゴメンね。水を飛ばした分、中に隙間があるから、コレでも軽い方なんだけどね。」

ライン「い、いや、全然大丈夫だよ。力つければ問題ないし・・・・・・。」

エイリア「そう?じゃあ・・・・・。」

エイリアはラインの剣に、もう一回何か魔法をつぎ込んだ。

すると、ラインの剣は少し重くなった。

ライン「え、何を・・・・・?」

エイリア「隙間に魂の魔法を入れたよ。ラインの魂で少し威力に影響でるかもね。」

エイリアは笑いながら言った。

ライン「あ、ありがとう。」

すると、マッスルが窓の外を見て言った。

マッスル「つーか、もうこんなに暗かったんだな。」

外はもう夜になっていた。

剣を作るのに集中しすぎて気付かなかったのだろう。

ナイリア「お父さんはまだ戻ってこないの?」

シャドウ「む、ナイツがまだ戻ってきていないか。僕が探しに行こう。」

マッスル「おう、気をつけてな。」

シャドウ「ああ、先に寝ていてくれ。」

そう言って、シャドウは部屋を出て行った。

マッスル「・・・・・はぁ、乾かさなきゃいけないのか。」


続く

このページについて
掲載号
週刊チャオ第249号&チャオ生誕8周年記念号
ページ番号
100 / 231
この作品について
タイトル
シャドウの冒険3
作者
ダーク
初回掲載
週刊チャオ第158号
最終掲載
2012年9月6日
連載期間
約7年5ヵ月14日