第二章 ~ヘルゼアス戦争~ 十六話

シャドウ達3人は、部屋に戻った。

ナイリア「あ、帰ってきたよ。」

ナイリアはバウスの方を向いて言った。

バウス「おぉ、戻ってきたか。」

そのバウスの前には小さな金属が沢山あり、近くにあの訓練用の剣が5つほどある。

シャドウ「その剣は・・・・・。」

シャドウは、訓練用の剣を見た。

バウス「あぁ、部品を貰ってくる時に、ついでに貰ってきたんじゃ。さっき部屋を出て行くとき気付かなかったか?」

シャドウ「・・・・・部品に埋もれてて見えなかったが。」

シャドウは困った表情で答えた。

バウス「はは、そうじゃったか。」

ライン「で、これで何をしてんの?」

バウス「お前の武器を作ってるんじゃよ。この剣を使ってな。」

バウスは、訓練用の剣を持った。

マッスル「此処の剣って、意外と脆いぞ?そんなので大丈夫か?」

バウス「そう。コレは金属でもないし、それほど丈夫じゃない。だから逆に、形も変えやすいんじゃ。」

バウスは剣をコンコンと叩いた。

シャドウ「相手が傷付かないために、脆い物質を使っているらしい。こんなもので武器になるのか?」

バウス「この5つの剣を1つにまとめれば強度も5倍でそれなりのものになるのじゃ。元と同じサイズにまとめられれば、の話じゃがな。」

ナイリア「まとめられないんだけどね。」

ナイリアが笑いながら口を挟んだ。

バウス「・・・・・・まぁ、そう言うことなんじゃ。」

バウスは剣を置いた。

シャドウ「一度全てを砕いてから、それを力で圧縮すると言うのは出来ないのか?」

シャドウは、バウスの置いた剣を手に持って言った。

バウス「相当な力が必要じゃぞ。普通にやっても、元より大きいサイズになるか、まとまらずに崩れ始める、かのどっちかになると思うがの。」

マッスル「まぁ、やらせろって。」

マッスルは剣を1本持って、両手で叩き潰した。

バウス「あ、砕く以外の方法を考えてたのに・・・・・。其処の金属を利用すればどうにかなるかも知れなかったのに・・・・・・。」

バウスの半目は、いつも以上に元気がなくなってしまった。

マッスル「ワリィワリィ!」

マッスルは笑いながら言った。

マッスル「まぁ、でも砕いちまったからには、全部砕いて合体させようぜ。」

マッスルは他の剣も砕いた。

それを見たバウスはベッドに飛び込んだ。

ナイリア「ぁーあ、バウス落ち込んじゃったよ?」

それでもナイリアは笑いながら言った。

マッスル「起きた時に出来てたら喜ぶだろ。」

ライン(この根拠の無い自信はどっから出てくるんだ・・・・・。)

そして、マッスルはバラバラになった剣をかき集めた。

マッスル「さて、やるか。」

マッスルは両手で挟んでバラバラになっていたものを圧縮し始めた。

こう見えてマッスルは意外と器用なので、剣の形にすることも出来た。

マッスル「こんなもんじゃない?」

ライン「スゲェな、バウスが苦労したヤツを簡単に・・・・・。」

マッスルは剣を持って立ち上がった。

すると、剣はまたボロボロに砕けた。

マッスル「フ、形状持続時間は3秒か。もうイヤになっちまうぜ。」

マッスルは、ちょっとキザな表情で言った。

シャドウ「もう一人がマッスルと押し合う形で剣を挟むくらいの力はいるんじゃないか?」

マッスル「じゃあ、シャドウもやってくれよ。」

シャドウ「僕ではマッスルの力には及ばないだろう。」

そして、マッスルはこの後も一人で圧縮を続けた。

それでも、一向に出来る気配はない。

だが、マッスルがため息をついた頃、部屋のドアから救世主がやってきた。


続く

このページについて
掲載号
週刊チャオ第247号
ページ番号
98 / 231
この作品について
タイトル
シャドウの冒険3
作者
ダーク
初回掲載
週刊チャオ第158号
最終掲載
2012年9月6日
連載期間
約7年5ヵ月14日