第二章 ~ヘルゼアス戦争~ 十五話
マッスル「やっぱ、ヘルズ行ったら平和にゃ終わらせらんないよな。」
射撃場をあとにした三人。
マッスルは二人に聞いた。
それに対し、シャドウが答えた。
シャドウ「そうだろうな。だが、出来るだけ被害は抑える努力はしよう。」
マッスル「いや、俺が言いたいのは・・・・・・アレだ。」
マッスルは険しい顔をした。
ライン(マッスルのこんな表情、初めて見た・・・・・。)
シャドウ「なんだ?」
マッスル「悪いけどさ、シャドウ。その考え方は、少し甘い・・・・・と俺は思う。」
シャドウ「甘い?」
シャドウは驚いて聞き返したが、すぐに落ち着いて言い直した。
シャドウ「マッスル、お前の考え方を聞かせてくれ。」
そして、少し深呼吸してからマッスルは言った。
マッスル「戦争は、ヘルズは、もっと大きくて硬くて怖いんだよ。頭の中でまとめられるほど小さい訳でもない。」
ライン「ワリィ、もう少し分かりやすく言ってくんないか?俺は被害を抑えるのに賛成なんだけど・・・・・・・。」
マッスル「正直、被害のことを考えてたら、生きて帰って来れないと思う。戦う時は全力で戦って、全力で終わらせる。【全力で戦って被害が出る】より【本当の全力を出さずに未来をなくす】の方が俺は大きい被害だと思う。他にも色々理由はあるけどな、コレが一番かな。」
シャドウ「・・・・・そうか。真直ぐ意見を言ってくれてありがとう。」
ライン(テキトーそうで、意外と考えてるんだな・・・・・。)
マッスル「まぁ、いいや。取り敢えず、部屋に戻ろうぜ。」
シャドウ「あぁ。バウスとナイリアが待ってる筈だ。」
ライン「じゃ、行くか。」
三人は部屋に向かって歩き始めた。
マッスル(・・・・・・未来をなくすのは怖いんだよ。未来の、その未来のためにも全力で・・・・・・!)
続く