第二章 ~ヘルゼアス戦争~ 十話
マッスルと沢山の兵士が見守る中、シャドウとゼアス兵隊長の勝負は始まった。
すると突然、マッスルがシャドウにゆっくりと注意した。
マッスル「カオスレイとか魔法とかは禁止だからな~。」
シャドウは頷いて合図した。
ゼアス兵隊長「では、行きますよ、シャドウ殿!」
ゼアス兵隊長は、シャドウの懐に素早く入り、剣を顔に向かって振った。
だが、斬れたのはシャドウの残像。
フッとシャドウがいなくなると思うと、もう既にゼアス兵隊長の後ろに回りこんでいた。
シャドウは、ゼアス兵隊長の背中目掛けて蹴りを入れようとした。
しかしゼアス兵隊長も負けない。
ゼアス兵隊長は前に飛んで、蹴りをすれすれで避けた。
シャドウ「当てるつもりでしたが、上手いですね・・・・・。」
ゼアス兵隊長「一応隊長ですので、あっさり負けたら周りの兵からヤジが飛びますから。」
ゼアス兵隊長は苦笑いをしながら言った。
すると、周りのゼアス兵の一人が大声で言った。
ゼアス兵「今のもギリギリだったじゃないスか!【アレ】使っちゃいましょうよ!」
シャドウは、その【アレ】に少し期待した。
シャドウ「隊長、【アレ】とは・・・・・?」
ゼアス兵隊長「私の必殺技のことです。まぁ、私も使おうとしていたので、使わせて頂きます。」
その言葉に、周りの兵は何故か盛り上がっている。
だが、そんな中でも、シャドウはニヤと笑ってこう言った。
シャドウ「では、出来れば破りたいと思います。」
その言葉にも、また周りの兵が盛り上がった。
ゼアス兵隊長「・・・・・行きますよ。」
ゼアス兵隊長は、足を少し開いて、剣を片手で足の間におろし、シャドウの方を上目遣いで見ている。
そのゼアス兵隊長は、さっきまで笑っていたゼアス兵隊長とは違った。
シャドウは、目の前に猛獣がいるような感覚を覚えた。
シャドウ「受けて立つ・・・・・!」
シャドウも対応すべく、構えた。
ゼアス兵隊長「【伍星・弐割(※)】!」
ゼアス兵隊長は、シャドウの視界から消えた。
すぐさまシャドウは気を感じ、上を向いた。
だが、上にはゼアス兵隊長の姿はなく、見つけたのはゼアス兵隊長の剣だけだった。
シャドウ(な、何だ・・・・・!?)
続く
※ ごせい・にわり と読みます。