第二章 ~ヘルゼアス戦争~ 九話
シャドウは慣れない雰囲気に戸惑っていたが、ゼアス兵隊長に話し掛けた見た。
シャドウ「剣を稽古で使っても怪我などはしないのですか?」
シャドウは、マッスルの相手をしているゼアス兵の剣を見て言った。
ゼアス兵隊長「あぁ、アレは訓練用の剣です。見た目は普通の剣ですが、脆い物質で出来ているので、体が傷付くより先に剣が折れます。まぁ、重さは本物の剣に似せているので、痛いって言えば痛いですけどね。」
ゼアス兵隊長は笑いながら言った。
シャドウ「そのような物質があるのですか・・・・・・。」
ゼアス兵隊長「珍しいですか?城の倉庫に数千本ありますよ。しかし、私にはシャドウ殿とマッスル殿の背中に付いてる、灰色の丸い物の方が珍しいですよ。」
ゼアス兵隊長は、シャドウの背中に付いてるホールボール(※)を見て言った。
シャドウ「これはホールボールと言って、数十個程度なら物を異次元に保管出来る物です。物を出したい時は、ただそれを出したいと思えば出てきます。自分が戻したいと思えば、自然に戻ります。」
ゼアス兵隊長「おぉ、凄いものですね。マール星にそのような物はありませんよ。」
シャドウ「マール星も、恵まれた環境があるじゃないですか。」
ゼアス兵隊長「確かに。何処でも、誰にでも、良いところはあるものですからね。」
シャドウ「良いところ、ですか・・・・・・。」
ゼアス兵隊長「どうかしましたか?」
シャドウ「いえ、何でもありません。」
そして、そんな話をしている内に、マッスルとゼアス兵の勝敗が決まったようだ。
やはり、マッスルの圧勝だそうだ。
マッスル「いやー、剣の振りはクソみたいに速かったんだけどな。」
と、変な誉め方をするが、ゼアス兵も普通に返す。
ゼアス兵「ありがとうございます。マッスル殿の拳も、ハエを2kmくらい飛ばせそうな勢いでしたよ。」
マッスル「おぉ、2kmも飛ばせそうな勢いかぁ。俺って天才かなぁ?」
ゼアス兵「調子に乗ると、1kmに減ってしまいますよ?」
マッスル「ん、悪かった。調子に乗りました。」
シャドウには良く意味が分からない内容の会話だが、周りのゼアス兵やゼアス兵隊長は軽く笑いながら聞いている。
マッスル「名前なんて言うんだ?」
マッスルは、自分と手合わせをしたゼアス兵に聞いた。
ナヤト「ナヤトと申します。」
マッスル「ナヤト、な。覚えたぜ。手合わせありがとな。」
ナヤト「いえいえ、こちらこそありがとうございます。」
お互い御辞儀をして、離れていった。
ゼアス兵隊長「では、私達の番ですね。シャドウ殿、宜しくお願いします。」
そして、ゼアス兵隊長とシャドウは、先程二人が戦っていた場所に立った。
シャドウ「宜しくお願いします。」
そして、二人の熱い戦いが始まった。
続く
(※ シャドウの冒険2 第8章 3 仲間との勝負 でも説明されています。)