第二章 ~ヘルゼアス戦争~ 八話

シャドウ「さて、稽古場は何処にあるのか。」

シャドウは部屋を出て、階段を降りながら呟いた。

と、その途中、2階で歩いているナミル姫をシャドウは見つけ、近寄った。

シャドウ「ナミル姫様、お伺いしたい事があるのですが。」

ナミル「あら、シャドウさん。そんなに堅苦しいこと言葉遣いでなくても良いですよ?それで、どうしたのですか?」

シャドウ「いえ、礼儀はしっかりとするべきと心掛けておりますので・・・・・・・。それで本題ですが、稽古場の場所を教えて頂けませんか?」

ナミル「稽古場ですか?それなら、1階のあそこですね。稽古場、と書いてあるので、多分分かると思いますよ。」

ナミルは、1階の出入口とは反対側の方の扉を指差した。

出入口から真っ直ぐ進めば、着く場所だった。

シャドウ「感謝致します。では、失礼します。」

シャドウが振り向いて歩き出そうとすると、ナミルが話し掛けてきた。

ナミル「もしかして、マッスルさんを探しているのですか?」

シャドウ「え、何故分かったのですか?」

シャドウは、驚いた顔をして振り向いた。

ナミル「フフ、だって、さっきマッスルさんに同じ事を聞かれたのですから。」

ナミルは笑いながら言った。

シャドウ「マッスルは何か言っていましたか?」

ナミル「いいえ。ただ【剣の稽古ですが、マッスルさんは剣を使って戦うのですか?】と聞いたら【いえ、格闘技を使って戦います。あれ、剣の稽古?・・・・・・。兵士と手合わせさせて頂きます。】って、笑いながら答えていました。」

シャドウは、ため息をついて下を向いた。

シャドウ(マッスルは何をしに来たんだ・・・・・・・。)

シャドウ「失礼しました。マッスルには言って置きます。」

ナミル「いいじゃないですか。楽しい方(かた)の方(ほう)が、喋りやすいですし。」

シャドウ「心遣いありがとうございます。で、では。」

シャドウは一礼して、1階への階段を小走りで駆け下りた。

ナミル(フフ、面白い仲間達ですね。)

シャドウは、稽古場へと着いた。

シャドウ「・・・・・・・・・。」

其処でシャドウが見たのは、沢山の兵が見ている中で、一人の兵と手合わせをしているマッスルだった。

シャドウ「マッスル。」

マッスルはシャドウの声に気付き、シャドウの方を向いた。

マッスル「あ、シャドウ。」

シャドウ「マッスル、お前は何をしに来たんだ。」

すると、手合わせしていた兵がシャドウの方を向いて言った。

その手合わせしていた兵は、案内をしてくれた兵だった。

ゼアス兵「あ、シャドウ殿。いいのですよ、良い経験になります。色々なタイプのチャオと戦うのは、実戦にとても役に立ちます。」

シャドウ「いや、しかし・・・・・・。」

すると、そこの兵士の隊長チャオが話しかけてきた。

他の兵とは、武装が少し違う。

兜が大きめで、鎧のゼアス兵のマークの上に丸いルビーがある。

ゼアス兵隊長「シャドウ殿。此処では、礼儀のことは深く考えないで下さい。それが、王の考え方なのです。それに、出来ればシャドウ殿も手合わせを頂けませんか?」

シャドウ「あ、あぁ、構わないが。」

ゼアス兵隊長「私が手合わせをして頂きたいだけなのだがね。」

隊長は笑いながら言った。

ゼアス兵「隊長が自ら行くのですか。」

ゼアス兵隊長「マッスル殿を見て分かっただろう。相当の実力だ。これは経験しておかないと、もったいない。」

ゼアス兵「分かりました。でも、マッスル殿との決着をつけさせて下さい。」

ゼアス兵隊長「あぁ、良いだろう。」

マッスル「よし、続けるか。」

シャドウ(何か分からない雰囲気だな・・・・・・・。)


続く

このページについて
掲載号
週刊チャオ第234号
ページ番号
90 / 231
この作品について
タイトル
シャドウの冒険3
作者
ダーク
初回掲載
週刊チャオ第158号
最終掲載
2012年9月6日
連載期間
約7年5ヵ月14日