第一章 ~マール星~ 六十九話 「ライン 対 闇」

ライン&バウス編

ラインとバウスは、山を正面にマッスルの右側の方を捜索していた。

此処は、マッスルが捜索している場所と同じくらい緑が生い茂っている。

ライン「畜生、草とかツタとか邪魔だな。」

バウス「そう言うな、ライン。こうやって自然が沢山あるのも、此処の良さじゃろ?」

ライン「まぁな。」

他の仲間とは違い、二人での捜索なので会話が弾む。

バウス「それにしても、殆ど敵の気配なしじゃな。」

ライン「油断するなよ?前より全然メカチャオは強くなってんだから、気配を消してるだけかも知れないしな。」

バウス「お、お前が慎重になるなんて珍しい・・・・・・・。」

ライン「・・・・・一発かましていいか?」

ラインは拳を振り上げた。

バウス「ゴメンナサイ。」

バウスは、土下座して謝った。

ライン「オッケー。」

そう言いながらも、ラインはバウスを頭の上に持ち上げた。

バウス「・・・・・さて、此処で問題。この後、ワシはどうなるでしょう。」

ライン「1、飛ぶ。2、飛ぶ。3、飛ぶ。」

バウス「正解がわかった人には、ワシの悲鳴をプレゼント。」

ライン「行くぜ!空も~飛べーるはず~!!」

そう言うと、ラインはバウスを斜め前方に投げ飛ばした。

バウス「イ゛ヤ゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛!!!」

バウスは、木の高さを超えるくらいに飛ばされた。

ライン「ん?」

ラインは、投げ飛ばした後に気付いたが、前方の切り株にチャオが座っている。

しかも、丁度バウスが着地しそうな場所だ。

バウス「ヤバッ!誰か座っとる!」

バウスも、上から見てそのチャオの存在に気付いた。

ラインは駆け出した。

ライン「危ない!」

ラインは、バウスがそのチャオにぶつかりそうなくらいギリギリなところで飛び込んで、バウスを弾いた。

そのチャオも、なんとなく状況が分かっていたのか、頭を下げていた。

そのお陰で、ぶつからずに済んだ。

ライン「だ、大丈夫ですか!?」

???「大丈夫・・・・・。」

ライン(お、女・・・・・。)

見た目は黒っぽく、独特の光沢があるチャオだったが、そのチャオの声からして、ラインは女と判断した。

ラインは女と喋るのが苦手なので、次の言葉が中々出てこなかった。

???「あそこで倒れている人は・・・・・?」

そのチャオが指差した先にいたのは、木の側で倒れているバウス。

バウス「ワシ、踏んだり蹴ったり・・・・・・・・・・。」

そう言って、バウスは立ち上がった。

ライン「あ、ホントに二人共、ゴメンナサイ。」

ラインは頭を下げた。

この時は流石に、チャームポイントのシャークマウスも閉じていた。

???「いえ・・・・・気にしてないから・・・・・・。」

バウス「お嬢さん、本当にすまなかった。ラインにはしっかりと言っておくので。」

???「ライン・・・・・この人がライン・・・・・。」

ライン「え、俺を知ってるんですか?」

???「・・・・・この星の英雄。」

ライン「あ、ああ、俺って有名なんだ・・・・・。」

???「その英雄は・・・・・何処まで強いの・・・・・?」

そう言うと、その黒いチャオはラインの目の前に来て、頭を触れた。

ライン「な・・・・・!」

ラインは、そのまま倒れて気絶してしまった。

バウスは驚いた。

バウス「お、お前は何者じゃ・・・・・!」

ダーククリスタル「・・・・・私はダーククリスタル・・・・・・・・。」

ダーククリスタルは静かに言った。

バウス「どこかで聞いた名前じゃが・・・・・。そ、それで何故ラインを!?」

ダーククリスタル「力を・・・・・少し試したかっただけ・・・・・・。だから・・・・・・先に行っていいよ・・・・・・。ラインの重さを一定時間消してあげるから・・・・・・連れて、シャドウ達のもとへ・・・・・・。」

ダーククリスタルはそう言うと、ラインに魔法をかけた。

バウス「クッ・・・・・この場は、それが得策じゃが、見逃すとは・・・・・・・・。」

ダーククリスタル「・・・・・・力を試したかっただけだから・・・・・・・・。」

バウスは驚いていたが、その場はラインを担いで集合場所へと急いだ。

バウス(本当に重さがない・・・・・・奴は何を考えてるんじゃ・・・・・・!)

ダーククリスタル(そこそこの強さ・・・・・だったかな・・・・・。)


続く

このページについて
掲載号
7.16 耐久の鬼誕生祭 in 週刊チャオ(226号)
ページ番号
76 / 231
この作品について
タイトル
シャドウの冒険3
作者
ダーク
初回掲載
週刊チャオ第158号
最終掲載
2012年9月6日
連載期間
約7年5ヵ月14日