第一章 ~マール星~ 六十九話 「エイリア 対 鮫」
エイリア編
エイリアは、山を正面に頂上よりやや右側の方を探索していた。
やはり此処も緑が生い茂っている。
エイリア「みんな見つけたのかなぁ?私だけ見つけられなかったらどうしよ。ナイリア大丈夫かなぁ?」
寂しさを紛らわすためか、何かと喋りながら歩いている。
すると、地面から黒い丸い帯びた三角形のものが少し突き出ているのがエイリアの目に入った。
エイリア「・・・・・何コレ。」
エイリアは、近くに落ちていた木の枝を持ち、黒い物体を突っついてみた。
すると、どんどん黒い物体は大きくなっていった。
いや、よくよく見ると地面から少しずつ出てきている。
何故か其処から地面に波が立っているように見えた。
全て姿を現すと、その正体は分かった。
ダークオヨギタイプオヨギ二次進化のチャオだ。
地面から出ていたのは、頭にある小さな角だったようだ。
しかも、そのチャオは額に逆三角形の赤いマークがあり、瞳が赤い。
???「おい、俺の頭に何してくれるんだ。」
エイリア「え、あ、ゴメンナサイ・・・・・。」
???「なーんてな。ゴメンな、冗談だよ。」
エイリア「ぁ、ハイ・・・・・。で、貴方はどうしていたのですか?」
???「え、俺か?・・・・・エイリア・スイミー、お前を待ち伏せていたんだよ。」
エイリア「え!?」
エイリアは、反射的にか後ろに飛んで離れた。
エイリア「お前は誰だ!」
フェシク「おいおい、そんな険しい顔したら可愛い顔が台無しだぜ?一応言っておくけど、俺はフェシクってんだ。」
エイリア「誰の命令で待ち伏せてたんだ!」
フェシク「リ・・・・・ぁうほぉ!?危ねぇ、言いそうになっちまったじゃねぇか。ドンマイ、俺。」
エイリア「一人で何言ってるの・・・・・?」
フェシク「・・・・・ゴメン。じゃなくて、一応命令なんだよ。勝負してこいってさ。」
そう言うと、フェシクは水の塊を3つ出した。
その水は、変形して小さな鮫の形になり、エイリアに食らいついてきた。
エイリア「こんなもの!」
そう言うと、エイリアは手でその鮫の形をした水を吸い取った。
そう、エイリアは水を手で吸い取れるのだ。
フェシク「マジかよ。」
エイリア「喰らえ!」
エイリアは、吸い取った水を一つの大きな水の塊にして放った。
フェシクは、直撃を喰らってしまった。
しかし、全然効いていない様子だ。
フェシク「水浸しだよ・・・・・。まぁ、お前の実力も少しは分かった事だし、今回は引くよ。じゃあな。」
そう言うと、フェシクは地面の中へ、スーッと沈んでいってしまった。
不思議なことに、跡が残っていない。
エイリア「強い・・・・・。報告しなきゃ。」
エイリアは、集合場所へと急いだ。
続く