第一章 ~マール星~ 六十九話 「ラルド 対 狼」
ラルド編
ラルドは、山を正面に一番右の辺りを捜索している。
此処は、地面に少し雑草が生えている、と言う事くらいしか環境的な特徴は見られない。
以前、シャドウと合流した時の海岸の近くだ。
小屋がラルドの視界には見える。
しかし、敢えて小屋には入らなかった。
ラルド「海だ・・・・・。」
ラルドは、海岸沿いを歩く事にした。
実際、元の捜索場所とはそれ程離れていないので、気をつけて見れば大丈夫だろう。
そして、暫く歩いていると、左の方から大きな遠吠えが聞こえた。
ラルド「メカ・・・・・じゃなさそうだけど。行くか。」
ラルドは、左の方へ歩いた。
矢張りフィールドは、地面と少しの草しかない。
すると、其処には一匹のチャオが立ちすくんでいた。
ラルド「どうしたの?」
ラルドはそのチャオに喋りかけた。
???「心配することではない。ルゥ・クル、お前をおびき寄せただけだ。」
すると、鋭い目付きをしてラルドの方を向いて言った。
ラルドは後ろに飛んで、距離をとった。
ラルド「お前は誰だ。」
フェルフ「私の名はフェルフ。お前を消すものだ。」
フェルフは、緑色のチャオで、ダークハシリタイプノーマル二次進化だ。
瞳が赤く、額には赤い逆三角形のマークがある。
そして、手足に鋭い爪が生えており、鋭い牙も生えている。
ラルド「そうか。では、かかって来い。」
するとフェルフは、シャドウに及ぶか及ばないかくらいのスピードで後ろに回りこんで来た。
ラルド(速い!)
フェルフ「遅いな。」
フェルフは鋭い爪を立て、ラルドに切りかかった。
それに対し、ラルドはお得意のカウンター・リバースで返そうと、フェルフの切りかかってきた方の腕を後ろ向きのままとり、背負い投げのような形で投げた。
フェルフの腕の速さは相当なものだったので、それを勢いにした背負い投げは良く飛んだ。
しかし、フェルフは10m程度離れたところに着地した。
フェルフ「後ろを簡単に取られる・・・・・。甘いと思ったが、あそこから逆転するとは流石だ。さらばだ。」
ラルド「待て!」
ラルドは止めようとするが、フェルフは黒いものに包まれて消えてしまった。
ラルド「強い・・・・・。いや、黒幕はもっと・・・・・。」
そう言って、ラルドは歩き始めた。
続く