第一章 ~マール星~ 六十九話 「マッスル 対 獣」
マッスル編
マッスルは、山を正面にシャドウの右隣の辺りを捜索している。
草木が生い茂っているが、シャドウのところ程ではない。
マッスル「おーい、メカチャオー。いたら出てきてくれー。」
マッスルは、シャドウとは違い、声を出しながら歩いている。
一見、馬鹿馬鹿しいこの行為は、実は自分の場所を敵に知らす事で、おびき寄せる作戦でもある。
しかし、中々メカチャオは出てこない。
マッスルも疲れたのか、座り込んだ。
マッスル「畜生~、いねぇよ~。」
すると、マッスルの前にチャオが座り込んで言った。
???「そうだよな~。マジ、超疲れた。」
マッスル「お、誰か探してる人でもいるのか?」
すっかり気が合うと思ったマッスルは、話し始めた。
???「おぅ、赤っぽいチャオでさ~。」
マッスル「ハッハッハ、俺じゃん。」
マッスルは笑いながら言った。
???「で、瞳が青くてさ~。」
マッスル「ハッハッハ、俺じゃん。」
また、マッスルは笑いながら言った。
???「で、マッスル・パワードって名前でさ~。」
マッスル「ハッハッハ、俺じゃん。」
???「ハッハッハ、お前かよ。」
そして、しばらく二人で笑った後、立ち上がって対峙した。
マッスル「で、何の用ですか?と言うか、誰?」
フェビスト「俺はフェビスト。俺らの・・・・・えーっと、オヤビン?って言うのか?んまぁ、その方に頼まれて、ぶっ倒そうかな?ってさ。」
フェビストは、オレンジ色のチャオで、ニュートラルチカラタイプノーマル二次進化のような形をしていて、瞳が赤い。
そして、額には赤い逆三角形のマークがある。
フェトムと同じく、チャオベースのメカチャオのようだ。
マッスル「・・・・・本当に強いのか?」
フェビスト「なんだ?俺が気楽な性格で、あまり強くないと思った・・・・・・・か?」
と、言った瞬間、フェビストの周りに闘気が溢れ出した。
その溢れ出る闘気がフェビストの周りにゆらゆらと出ているので、まるで雄のライオンの毛のようだ。
マッスル「相当強いようだな。」
フェビスト「まぁな。」
そう言うと、フェビストはマッスルの目の前に凄いスピードで突っ込んできた。
そして、その闘気で出来た鋭い爪を振り上げた。
マッスルは、その隙にフェビストの腹に拳を突き出した。
見事に捕らえたかと思うと、そのフェビストは、気のみで出来たものだった。
当たった感覚が無い。
そして、その気で出来たフェビストはゆらゆらと消えた。
マッスル「つ、強いな・・・・・。」
フェビスト「ありがとな。」
マッスル「!?」
フェビストは、近くの木の上の方の枝に座っていた。
フェビスト「お前も中々やるじゃん。これから楽しみだぜ?じゃ、またな!」
そう言うと、フェビストは気に包まれて、消えた。
マッスル「面白い奴だな。・・・・・でも、ワクワクしてきたぜ。」
続く