第一章 ~マール星~ 六十九話 「シャドウ 対 影」
以前とは違い、左右に大きく分かれ、メカチャオの捜索範囲を広げたシャドウ達。
これが、大きな敵と遭遇するとは知らずに・・・・・・・・・・。
シャドウ編
シャドウは、山を正面に一番左の方を捜索している。
どちらかと言うと、草木が多い方だ。
シャドウは、その草木の中を無言で捜索し続ける。
性格からか、木の裏や上なども探している。
だが、中々見つからない。
それでもシャドウは、前に進みながら念入りに捜索をしている。
「哀れな。雑魚程度に、それ程念を入れるとは。」
と、突然、前方から声が響いて聞こえた。
シャドウ「・・・・・何者だ。姿を現せ。」
シャドウがそう言うと、前方の草木の暗闇の中から、一匹のチャオが歩いてきた。
フェトム「我が名はフェトム。シャドウ・ザ・スピード。お前を消しに来た。」
フェトムは、変わった姿をしている。
黒チャオのようだが、瞳が赤く、暗い紫で大きなコウモリのような羽を持ち、額には赤い逆三角形のマークが付いている。
頭は、ニュートラルヒコウタイプノーマル二次進化のような形をしている。
どうやら、チャオベースのメカチャオらしい。
シャドウ「消しにきた、だと?此処に来るのは先程決まったものだが。」
確かにそうだ。
先程まで、分かれるなんて考えはなかったのだ。
フェトム「我らの頭。貴様達の立場から言ってみれば黒幕。あの方にかれば、この程度の事は読めるのだ。」
シャドウ「そうか。だが、読めても僕を倒せなければ意味が無い。」
そう言うと、シャドウはカオスレイを一発放った。
しかし、フェトムが凄まじい速さでくないを投げ、弾き飛ばした。
そして、弾き飛ばした時には、もうフェトムはシャドウの上で刀を下に向けて落ちてきた。
それに対し、シャドウは持ち前のスピードで回避した。
フェトム「・・・・・なるほど。」
フェトムがそう言ったのを聞くと、シャドウも動きを止めた。
シャドウ「む・・・・・?」
フェトム「今回は様子見だ。お前と戦う事を、リバル様は楽しみにしていらっしゃる。さらばだ、シャドウ・ザ・スピード。」
すると、フェトムは黒い影に包まれ、何処かへと消えてしまった。
シャドウ「リバル・・・・・・・・・・?」
シャドウは、一つの疑問を持ちながら、ギルダンタウンの入り口へと急いだ。
続く