第一章 ~マール星~ 六十七話 「シャドウの優しさ」
バウス「マッスル、大丈夫かの・・・・・?」
バウスは、マリィに無理矢理連れて行かれたマッスルのことを心配していた。
あれだけ疲れている状態で、マラソン大会などに連れて行かれたのだから、相当心配だろう。
ナイツ「大丈夫だって。マッスルは、異常なくらいに体力とかあるからさ。」
昔から一緒にいたナイツ達は、それ程心配していないらしい。
丁度そんな時、マリィとマッスルが前の方から歩いてきた。
エイリア「どうだった?」
エイリアは、マリィに尋ねた。
マリィ「マラソン大会、行った時に終わっちゃいました・・・・・。」
エイリア「あらら。」
マッスル「いや、俺は助かったけどな。」
マッスルは、大分回復したらしく、もう元気だ。
その時、マッスルが気付いた。
マッスル「シャドウとラルドはまだいないのか?」
ナイツ「まだ町を見てるんじゃないかな?でも、あの二人の事だから、そんなに長くはならないと思うよ。」
マッスル「そうだな。」
マッスルは笑いながら言った。
そして、暫く(しばらく)会話をしているとシャドウが歩いてきた。
シャドウ「すまない、少し遅くなったな。」
シャドウは、軽く手を上げて謝った。
マッスル「おぅ、気にすんな。ラルドには会わなかったのか?」
シャドウ「ラルド?まだ戻っていないのか。」
シャドウは、ラルドがクロアと話していた事を黙っていた。
勿論、これを言えば、今の状況が崩れると思ったからだ。
シャドウ「ラルドの事だ。もう少しで来るだろう。」
案の定、シャドウの言う通り、ラルドは数分で歩いてきた。
ラルド「ただいまぁ~。ゴメンね、遅くなっちゃって。」
マッスル「シャドウと同じ事言ってるし。」
マッスルは軽く笑った。
ラルド「え、ホント!?」
ラルドも笑っていった。
シャドウ「フ、本当かもな。」
シャドウも、微笑しながら言った。
ラルド「え~、シャドウが言うならホントだね。」
マッスル「・・・・・俺はそんなに信じられないのか。」
マッスルは下を向いて言った。
ラルド「冗談だよ~。」
ラルドは、笑いながらマッスルの肩を叩いて言った。
マッスル「うん、分かってたよ。」
マッスルは、ケロッとした表情でラルドを見ながら言った。
ラルド「おぃ。」
ラルドは笑いながら突っ込んだ。
シャドウ「何か買ってきたのか?」
ラルド「いや、見ただけで終わっちゃった。」
シャドウ「フ、そうか。」
そして、色々な会話をしながら、シャドウ達は町を歩いていった。
どうやら、目的地は荒野らしい。
目的を変えないため、とは言えシャドウはクロアとラルドの内容を黙っていた。
でも、本当は、ラルドのことを想ってやった、シャドウの優しさが現れた結果なのかも知れない。
続く