第一章 ~マール星~ 六十三話 「妹と弟子」
シャドウ「・・・・・ラルド、何をしている?」
ざわついた中、シャドウはラルドに言った。
しかし、ラルドの耳には届いていないようだった。
クロア「シャドウか・・・・・どうした?」
クロアは、キャプシティの建物に寄りかかっている。
シャドウ「一体、どう言うことだ?」
シャドウは、ラルドとマリィが戦闘体系に入っている事の意味が分からなかった。
そして、何故クロアが此処で二人を見ているのかも分からなかった。
シャドウは、その二つの意味を込めて言った。
クロア「俺が此処に来たのは、マリィに会いに来るため。マリィは、仮にも俺の弟子だ。」
なんと、アイドルチャオのマリィは、クロアの弟子だったと言うのだ。
シャドウは驚いたが、納得した。
シャドウ(前にマッスルが言っていた、スタジアムでのコンサートの時、マリィがメカチャオの目を破壊した、と言うのはクロアの弟子だったからか・・・・・それで、マリィにあったクロアのところに、たまたまラルドが通りかかって、マリィと戦わせている、と言ったところか・・・・・。)
そんな中、ラルドとマリィは戦いを始めた。
始めはヒットアンドアウェイの連続だったが、だんだん接近戦での打撃戦となった。
両者、拳も脚も凄まじいスピードで当てあっている。
しかし、その拳と脚は一発も当たることなく、防がれている。
クロア「終わりだ。」
クロアの言葉と共に、二人共戦いをやめた。
戦いが終わると、少しずつチャオだかりは減っていった。
二人共息を切らしている。
ラルド「あ、シャドウ・・・・・どうしたの?」
マリィ「お久しぶりです。」
そんなに長い期間はキャプシティに離れていなかった筈なのに、マリィは相変わらず不可解な事を言う。
シャドウ「いや、たまたま通っただけだ。其処でラルド達が戦っていたものでな・・・・・少し見させてもらった。で、クロア・・・・・何故アイドルのマリィがラルドと互角の戦いが出来るのだ?」
クロア「俺は戦いについての知識を少し教え、潜在能力を開放してやっただけだ。それ以外は、コイツの才能だ。」
シャドウ「天才、と言ったところか・・・・・。」
マリィ「え、そうだったんですかぁ?」
ラルド「凄いじゃん!」
クロア「ただな・・・・・もう既に潜在能力は開放してある故に、この後、それ程は伸びない。後は、何処まで潜在能力を高めるかだ。その分、まだ潜在能力を開放していないルゥは、将来性がある。」
ラルド「兄貴、どうやって潜在能力を開放できるの?」
クロア「ある時突然、開放される。ただ、何か【きっかけ】が必要だがな。」
ラルド「へぇ~。」
マリィ「じゃあ、私も頑張ります!」
クロア「お前はもう潜在能力を開放していると言っただろう・・・・・」
クロアも、マリィの天然ぶりには困らされているようだ。
マリィ「そうなんですかぁ。じゃあ、このままでいいんですね。」
クロア「そう言うことだ。元々自己防衛のための力をお前は欲しがってただろう。もう自己防衛は充分に出来る筈だ。」
マリィ「そうですかぁ。ありがとうございます。」
クロア「そろそろ、俺はこの町を出る。またな。」
そう言って、クロアは歩いていった。
シャドウ「待て、クロア。」
クロア「なんだ?」
クロアは足を止め、振り返った。
シャドウ「お前は・・・・・その力を持ちながら何故旅をしている?」
クロア「・・・・・旅の目的は、カオスィヴを超えることだ。」
シャドウ「!?」
続く