第一章 ~マール星~ 六十話 「次の行き先」
入り口付近に転送されたシャドウ達は、そのまま町長の家に向かった。
その途中の道は、悪のメカチャオがいなくなったのもあり、普通のメカチャオしかいない。
しかも、会話が無いのでとても静かだ。
ナイツ「え、町長の家に行ってどうするの?」
シャドウ「あの家の地下にギルダンタウンの町民が閉じ込められている。」
シャドウは、確信を持って言った。
ライン「何で分かるんだ?」
シャドウ「始めに入った時、明らかに下の方からチャオの気を感じた。」
ライン「ふ~ん、気で分かるのか・・・・・」
そんな会話をしていると、すぐに町長の家に着いた。
マッスル「で、その地下に居るチャオ達をどうやって助けるんだ?地下に行く道なんてないぞ。」
シャドウ「いや、見てろ。」
するとシャドウは、部屋の中央辺りまで歩いていった。
シャドウ「・・・・・この辺りか。」
シャドウが見つけたのは、床の亀裂。
どうやら、其処の辺りから風を感じるらしい。
するとシャドウは、その亀裂に手を押し付け、亀裂を広げた。
その亀裂に手を引っ掛け、引っ張ると、其処の床が外れた。
その下には、シャドウが言った通り数百のチャオが居た。
ギルダン町長「お・・・・・おぉ・・・・・貴方は・・・・・?」
ギルダンの町長は、地下室のような場所から上を見上げて言った。
ギルダンの町長は、ニュートラルノーマルのチャオだが、線目で白いヒゲを生やしている。
シャドウ「僕の名はシャドウ・ザ・スピード。悪しきメカ共は倒した。」
すると、数百のチャオは声を上げて喜んだ。
そして、地下室の中のチャオは色々物が置いてあるところからハシゴを見つけ出し、全員上がってきた。
チャオ達はシャドウ達にお礼を言い、自分の家へとかけていった。
ギルダン町長「本当にありがとうございました。」
シャドウ「僕達はメカチャオを倒さなければいけない。その途中でこの町のメカチャオを倒しただけだ。礼には及ばない。」
ギルダン町長「いえいえ、とんでもありません。それに、凄まじい能力を持ちながら倒せなかったドラゴンに対し、体を張って共に封印されたと言う、あのシャドウ・ザ・スピードが此処に居るとは・・・・・」
シャドウ「そのドラゴンも、今では改心してチャオ星で仲良くやっている筈だ。ただ、そのドラゴン以上の悪である、ダークブラックカオスがこの星で生きているかも知れない。」
ギルダン町長「そうなのですか・・・・・いえ、貴方達なら出来ます。頑張ってください。」
シャドウ「分かった。ありがとう。」
シャドウ達は家を出た。
そして、カオスィヴに言われていた荒野へと進もうとした。
ラルド「待って。」
すると、ラルドがそれを止めた。
シャドウ「何だ?」
それに対し、シャドウが聞き返した。
ラルド「あの・・・・・キャプシティにもう一回行かない?」
なんと、また山を通り、キャプシティに戻ると言うのだ。
勿論、その言葉にシャドウ達は驚いた。
マッスル「・・・・・マゾで?」
ラルド「うん、マゾで。」
エイリアがクスッと笑った。
ラルドは何を言い出すか分からないので、時々面白い事も言う。
シャドウ「僕は構わないが、何かあるのか?」
シャドウは理由を聞いた。
が、ラルドが答える前にマッスルが口を開いた。
マッスル「あぁ、兄貴ね。」
ラルド「あれ、分かった?」
マッスル「確かに、気になるしな。」
シャドウ「分かった、では行こう。」
そして、シャドウ達はキャプシティへと向かった。
続く