第一章 ~マール星~ 五十五話 「夫婦タッグVSカンザ」

カンザは、電気の剣になった右手を思い切り振りかぶって、エイリアに斬りかかった。

カンザ「砕け散れぇ!」

カンザは普通のメカチャオとは違い、とても迫力がある。

見た目が普通のチャオそっくりだからなのか。

しかし、エイリアは気にせずに後ろに飛んで剣をかわした。

エイリア「火の魔法!」

エイリアの火の魔法は、他のチャオとは魔法力が違うのでかなりの威力だ。

エイリアの手から、高熱の火の球が発射された。

しかし、カンザの電力も凄まじい。

電気の剣で、火の球を消し飛ばした。

ナイツ(メルトスコープ・・・・・凄い!相手を見るだけで、弱点や能力が頭の中に浮かんでくる!)

ナイツ「エイリアさん、カンザの弱点は水系の技だよ!あと、カンザの左手には気をつけて!凄い速さの電気が飛んでくるよ!」

ナイツは、頭の中に浮かんだ事をエイリアに伝えた。

バウス(本当は発声エネルギーもメルトスコープのエネルギーに取り込む予定じゃったが・・・・・よくよく考えれば、弱点が分かっても伝えられないんじゃよな。一応、設計では発声エネルギーも使う予定じゃったから、元の設計より能力は劣るが・・・・・頑張れ、ナイツ。)

エイリア「分かった!」

それに対し、カンザはとても驚いた。

初めて戦う相手に、此処まで見破られてしまったのだから。

カンザ「ちっ、何だアイツは!」

カンザは、ナイツの方へと標的を変えた。

カンザは、ナイツに向かって左手を向けた。

エイリア「させない!」

エイリアの水の魔法、スプラッシュが見事にカンザに当たった。

ナイツ(ありがたい!)

エイリアは、前より強くなったせいか、スプラッシュは前とは違っていた。

以前のは、地面から水の柱が飛び出してくるような技だったのだが、今回のスプラッシュは、床を水の衝撃波が這うような感じだった。

音もザバァーと言う凄い音と共に、凄い速さで相手に向かって行くのだ。

水が弱点のカンザには、相当のダメージだった。

カンザの体は軽いショートを起こしたようだ。

カンザ「グゥ・・・・・相性が悪い、が、俺との実力の差は埋められないぜ!」

カンザは、エイリアを電気の剣で叩き切った。

エイリアは真っ二つになった、と思われたが、切れたエイリアは実は水を魔法で固めただけのものだった。

エイリア「これが私の得意技、水分身。」

エイリアは、カンザの後ろの方にいた。

カンザ「中々厄介な技を持ってやがる・・・・・だが、これはどうだ!」

カンザがそう言うと、なんと壁から雷が飛んできたのだ。

それは、見事にナイツに当たった。

ナイツ「ぐぅ・・・・・部屋にこんな仕掛けが・・・・・!」

ナイツは大きなダメージを与えられてしまった。

しかも、今の衝撃でメルトスコープが機能しなくなってしまった。

だが、体内のエネルギーを吸い取って機能するメルトスコープが機能しなくなったので、ナイツはサポートではなく、戦いに入り込めるようになった。

つまり、エネルギーを消費している時に戦いに入り込むと、エネルギーを消費しっぱなしだったので不利になっていたが、そのエネルギー消費がなくなったので、戦いに入り込めるようになった。

ナイツ「でも、これで僕も戦える!」

カンザ「雑魚は引っ込んでろ!」

その言葉に対しナイツは、巨大な新風圧弾で返した。

相当な威力だが、多少スピードが遅い。

カンザ「こんなもの・・・・・!」

カンザは、何発も左手から電気の塊を発射した。

しかし、その電気の塊は、見事に新風圧弾に飲み込まれ、避けるしか術(すべ)がなくなった。

カンザは、横っ飛びで避けた。

しかし、その先にはエイリアが待ち構えていた。

ほぼ0距離だ。

カンザは横っ飛びで体制が崩れているので、何も出来ない。

カンザ「何ィ!?」

エイリア「スプラッシュ!」

0距離でスプラッシュを喰らったカンザは、凄まじいダメージを受け、吹き飛んだ。

しかも、吹き飛んだ先には新風圧弾があった。

カンザはそのまま新風圧弾にあたり、大爆発に巻き込まれ、壁に叩きつけられて倒れた。

そして、機能停止した。

エイリア「やった・・・・・勝てた!」

ナイツ「ふぅ・・・・・」

シャドウ「二人共・・・・・強くなったな。充分な力量だ。」

二人は、シャドウにこんな事を言われたのは初めてだったので、照れ笑いをした。

バウス「ナイツ・・・・・」

バウスは、ナイツのもとへ歩いてきた。

ナイツ「バウス、ごめんね。メルトスコープ壊しちゃって。」

バウス「いや、そんな事はいいんじゃ。お前は、ワシの作る物なんかに頼る必要はない。シャドウの言ってる通り、戦力になれてるじゃないか。自信を持つんじゃよ?」

ナイツ「バウス・・・・・ありがとう。」

ナイツは、感動したようだ。

その間に、次の階へと進む転送装置が出てきた。

シャドウ「行こう、最後だ。」


続く

このページについて
掲載号
週刊チャオ第196号
ページ番号
55 / 231
この作品について
タイトル
シャドウの冒険3
作者
ダーク
初回掲載
週刊チャオ第158号
最終掲載
2012年9月6日
連載期間
約7年5ヵ月14日