第一章 ~マール星~ 五十三話 「究極の槍」

氷の狼は、周りに取り巻いている黒い霧のような物を、口から取り込んでいる。

その氷の体は、次第に黒ずんできた。

それを見ていたシャドウは、槍を取り出した。

そう、以前持ち主を選ぶと言われて買った槍。

持ち主の力量によって変化する槍だ。

その槍は、以前とは違う形になっていた。

シャドウの1.5倍くらいの長さで、先の方にある筈の金属部分がない。

その代わり、ゼオのゼオソードのように、槍の先端の形をしたエネルギーがボヤボヤと出ている。

シャドウ「カムイ、悪いが・・・・・死んで貰う。」

その槍を見たラルドが言った。

ラルド「もしかしたら・・・・・あのエネルギーが武器の最終形態なのかも知れない・・・・・」

ナイツ「ゼオも、凄かったんだよね。」

ナイリア「ゼオ、何処に行ったんだろ・・・・・?」

ライン「・・・・・??」

そんな会話をしている間に、カムイは全ての黒い霧を取り込んでいた。

カムイ「これが私の最強の必殺技・・・・・受けてみろ!」

すると、氷の狼は横に回転しながら突っ込んできた。

その回転で、周りの雪がどんどん取り込まれ、氷の狼が次第に大きくなっていく。

シャドウ「これが究極の槍・・・・・エネルギースピアの威力だ!」

シャドウは大きく槍を振った。

すると、凄まじい衝撃が部屋全体に広がった。

シャドウ以外は、目を開けられないくらいだ。

氷の狼は全身ズタズタに引き裂かれ、バラバラになって消し飛んだ。

そして、全員が目を開ける頃には、部屋全体がえぐれ、ボロボロだった。

しかしシャドウの情か、カムイは軽い傷を負っているものの、機能停止だけで済んでいる。

ライン(こ、これが伝説のシャドウ・ザ・スピードの実力・・・・・)

ラルド(相変わらず、予想出来ない程強い・・・・・)

ナイツ(つ、強すぎる・・・・・僕達がいない間に何が・・・・・?)

シャドウ「さて、次の階への道が出来たようだ。」

シャドウの目の先には、転送装置があった。

転送装置は、高さ10cm、直径50cmくらいの丸型の台だ。

小さな柱(ちゅう)で、側面が黒。

上の面は虹色でモヤモヤしている。

それに乗ると転送されるのだ。

ラルド「じゃ、次へ行こっか。」

そして、シャドウ達は転送装置へ乗った。


続く

このページについて
掲載号
週刊チャオ第195号
ページ番号
53 / 231
この作品について
タイトル
シャドウの冒険3
作者
ダーク
初回掲載
週刊チャオ第158号
最終掲載
2012年9月6日
連載期間
約7年5ヵ月14日