第一章 ~マール星~ 五十二話 「攻守合体」

シャドウは無防備で雹狼に突っ込んだ。

明らかに無謀だが、シャドウは無表情のままだった。

カムイ「馬鹿の相手は早く終わらせましょう。雹狼、食らいなさい。」

大きな雹狼は、大きな口を開けてシャドウを食べようとした。

しかし雹狼は、シャドウに触れた瞬間無残に砕け散った。

シャドウ「僕を取り巻く気に触れるものは、砕け散るのみ。」

カムイ「そうでなければ・・・・・つまらない!」

シャドウは、そのままカムイに向かって突っ込んだ。

そのシャドウを、カムイは殴り倒そうと、大きく手を振りかぶった。

しかし、カムイは振りかぶっている間にシャドウのパンチを浴びてしまった。

そのパンチは、見事にカムイの胸を貫通した。

それを見ていたナイツが口を開いた。

ナイツ「技・・・・・使わないで勝っちゃったね。」

ラルド「・・・・・いや、終わりじゃない。まだ奴の気配が消えてない・・・・・」

ナイツ「え・・・・・?」

すると、シャドウの手が貫通しているカムイは、雪の塊へと変化した。

しかも、腕が抜けない。

シャドウ「フン、この程度か。」

シャドウがそう言うと、何処からかカムイの声が聞こえてきた。

カムイ「この状況で良くそんな事が言えますね。どうしようが、私の勝ちは確定しています。クックック・・・・・」

霜雪の間に、カムイの声が響く。

すると突然、デコボコの雪のフィールドから、カムイがシャドウに向かって飛び出してきた。

シャドウ「あいにくと、コチラも厄介な技を持っている。」

すると、シャドウは消えた。

そう、カオス・シャドウだ。

着地したカムイは、周りを見渡した。

カムイ「消えた・・・・・!?」

シャドウ「言っただろう、遊んでいる暇などない。」

シャドウはカムイの後ろにいた。

そして、首を掴んで持ち上げた。

カムイ「ぐぅ・・・・・やられる・・・・・」

シャドウ「消えろ。」

シャドウは、カムイの頭にカオスレイを放った。

カオスレイは、見事にカムイの頭を消し飛ばした。

しかし、また霜雪の間にカムイの声が響く。

カムイ「残念・・・・・それも私ではありません。」

すると今度は、カオスレイで消し飛ばしたカムイが、無数の氷の破片となってシャドウを襲った。

殆どの氷の破片は、シャドウの気によって消されたが、一つだけシャドウの頬をかすめた。

シャドウ「・・・・・取り巻く気の間を通り抜ける程の数の氷の破片を飛ばすとは。」

シャドウの頬には、一筋の傷が出来た。

カムイ「クックックッ、私の攻撃は守りであり、私の守りは攻撃であるのですよ。」

シャドウは、頬の傷を少し触ると、軽く笑った。

シャドウ「フ、メカにしては中々やるな。だが、もうお終いだ。」

シャドウは、ラルド達にオーラ・バリアを張った。

ラルド「出るよ・・・・・」

ライン「シャドウの必殺技・・・・・初めて見るけど、どれだけの威力が・・・・・?」

すると、シャドウは壁の方へと歩いて行った。

そして振り向き、喋り始めた。

シャドウ「カムイ。今から僕の放つ攻撃は相当な物だ。貴様も必殺技で来い。」

カムイ「・・・・・良いでしょう。フリーズファング・イン・ダークネス!」

すると、雹狼の5倍くらい大きい氷の狼が出てきた。

その氷の狼の周りには、黒い霧のような物が取り巻いている。

それに、氷の狼の頭の中にカムイがいる。

氷の狼もまた、シャドウと同じく反対側の壁へと寄った。

カムイ「では、消えてもらいましょう。」

シャドウ「来い。」


続く

このページについて
掲載号
週刊チャオ第195号
ページ番号
52 / 231
この作品について
タイトル
シャドウの冒険3
作者
ダーク
初回掲載
週刊チャオ第158号
最終掲載
2012年9月6日
連載期間
約7年5ヵ月14日