第一章 ~マール星~ 五十話 「壁を越えろ!」
ゴウは、炎の壁の中を移動出来るため、この炎の壁で囲まれているこの部屋の色々な方向から火の球を飛ばせる。
ライン「全く・・・・・てこずらせやがる野郎だな・・・・・」
炎を魔力で固めた壁は、それを超える魔力でなくては中に攻撃が届かない。
しかし、壁の魔力を超える魔力どころか、魔法と言う魔法が使えないラインは、飛んでくる火の球を銃で撃ち落とす事しか出来ない。
それを見たシャドウは遂に言った。
シャドウ「ライン、交代だ!」
しかし、ラインにもプライドと言う物が有る。
ラインは首を横に振った。
ライン「待ってくれ、何か思いつきそうなんだ!」
ラインは、火の球を打ち落としながらも、色々考えているようだ。
ゴウ「終わりだ。」
ゴウは、さらに速い火の球を、ラインの後ろから背中目掛けて放った。
しかし、ラインの反射神経も並大抵のものではなかった。
なんと、後ろを向いたまま脇の間から銃を撃ったのだ。
ライン「危ねぇ・・・・・・・・・・」
ゴウ「む・・・・・」
流石にこれにはゴウも驚いたようだ。
シャドウ達も驚いている。
ライン「へへ・・・・・ついでに、策が出来たぜ・・・・・」
すると、ラインは銃をしまい、長剣を取り出した。
ゴウ「フン、先程のは驚いたが、剣では何をしようが無駄だ。」
ライン「カッカッカ!いやぁ、こんな簡単な事で倒せると思うと面白ぇ!かかってこい!」
ラインは、シャークマウスの口を広げて笑った。
バウス「・・・・・本当にラインは勝つぞ、シャドウ。ラインは自信を面に出す奴じゃ。」
バウスは静かに言った。
シャドウ「何?あの状況から・・・・・」
ラルド「いや、でも何か・・・・・勝てちゃうような気がしないでもないような・・・・・」
そして、ゴウは先程の火の球より速い火の球を放った。
すると、ラインは剣の面を横にして、火の球を打ち返した。
当然、炎の壁を突き抜けてきた火の球は、炎の壁より魔力が強い。
その火の球は、炎の壁の中のゴウに直撃した。
ゴウ「ぐぅぉ!」
ゴウは、炎の壁から出てきて、シャドウ達の反対側にある足場に倒れこんだ。
相当衝撃が強かったらしく、ゴウは機能停止寸前だ。
ゴウ「何故・・・・・俺が・・・・・」
ライン「まぁまぁ強かったけど、俺ほどじゃなかったな!」
ラインは、ゴウの頭にゲンコツをした。
そして、ゴウは機能停止した。
それと同時に、灼熱の間の炎の壁は、普通の鉄の壁となった。
シャドウ「まさか、あのような方法で倒すとは・・・・・」
ライン「ま、倒せたんだからいいじゃねぇか。」
ラインは笑いながら言った。
そして、しばらくすると天井に穴が空き、ハシゴが出てきた。
どうやら、3階に繋がっているようだ。
シャドウ「順調だが、次はゴウよりも強い筈。気を入れて行くぞ。」
続く