第一章 ~マール星~ 四十七話 「最強の守り」
右手に火の魔法、左手に水の魔法を出したナイリア。
一体、属性が正反対の魔法を出してどうしようと言うのか。
ナイリア「行くよ!」
ナイリアは、火の魔法と水の魔法を体の前で合わせた。
すると、水色と赤が渦巻いていて、直径が30センチくらいの球体が出来た。
ゴスモ「それ、俺を倒せる物じゃない。お前、俺倒せない。」
ゴスモは表情を変えず、ナイリアに向かって言い放った。
ナイリア「どうかな?」
それに対し、自身満々でその球体を飛ばした。
たいしたスピードでは無いが、確実にゴスモの腹の真中を目掛けて飛んでいる。
ゴスモ「砕く。」
ゴスモは、その迫ってくる小さな球体を、手で殴った。
シャドウ達は、弾き返されてナイリアの方へ戻ってくる、と思ったが、その予想は外れていた。
なんと、ゴスモの手に触れた瞬間、シャボン玉のように破裂したのだ。
しかも、中から高熱の液体が出てきて、ゴスモの手にかかった。
ゴスモ「なんだ・・・・・熱い。」
ナイリア「これでお終いだね。」
そう、ゴスモの手にかかったのは液体。
いくら振り払おうと、全てを振り落とせるわけが無い。
ゴスモは鉄で出来ているので溶ける、とナイリアは考えていたのだ。
そして、ゴスモの手は見事に溶け落ちた。
シャドウ「なるほど・・・・・固体は砕けるが、液体は砕けない、と言う考えか。」
ラルド「ナイリア、前よりもずっと強くなってるよね。」
すると、ナイリアは振り向いて喋り始めた。
ナイリア「あ、でもこれ、母さんの【魔法を出した後に次の魔法を重ねる】を見て思いついたんだよ。でも流石に魔法力のバランスは自分で考えたけどね。相殺しちゃうからね。」
エイリア「私の・・・・・?」
そして、ナイリアがゴスモの方を振り向くと信じられない事が起こっていた。
なんと、無い筈の手が有ったのだ。
ナイリア「えぇ!?何で?」
ゴスモ「俺、鋼鉄の部屋の番人。鉄、つかさどる。幾らでも、鉄、作れる。」
なんとゴスモは、自分で自分の手を再生したのだ。
ゴスモ「次、俺の攻撃。鋼鉄壁(こうてつへき)。」
すると、ナイリアとゴスモの間に、鋼鉄のしきりのような物が出来た。
ナイリア「こ、これは・・・・・?」
すると、壁の向こう側から、ゴスモの声が聞こえた。
ゴスモ「これ、壊さないと、俺、倒せない。後、この壁、攻撃する。」
ナイリア「くっ・・・・・」
そして、鋼鉄の壁から1秒間隔くらいで銃弾のような鉄の塊が飛んできた。
ナイリアはスピードがあるので鉄の塊をかわしているが、壁がある限りゴスモにダメージは与えられない。
ゴスモ「俺、負けない。」
続く