第一章 ~マール星~ 四十五話 「ギルダンタワー」
クロアと別れたシャドウ達は、ジリーで案内で町長のところへ行く事になった。
動く床で、相変わらず変わらないペース。
そんな中、矢張り話しの話題はクロアについて、だった。
マッスル「なぁラルド、クロアってやっぱり格闘家なのか?」
ラルド「そうだね。昔は二人で良く稽古とかしてたし。」
マッスル「その時も強かったのか?」
ラルド「うん、凄い強かったよ。」
マッスルはため息をついて言った。
マッスル「羨ましいよ・・・・・身内にそんなに強いのがいて。」
ラルド「マッスルだって、強いお父さんがいるじゃん?」
マッスル「うーん、確かに強いけど・・・・・父さんは基礎技とかしか知らないから、応用技とかは全部自分で編み出すしかないんだよなぁ。」
ラルド「そりゃ、オリジナルは自分で作らなきゃ駄目だよ。」
マッスル「あ、そうだな。」
マッスルは軽く笑った。
シャドウ「一つ気になっていたんだが、何故ラルドがチャオ星に居て、兄であるクロアがマール星にいるんだ?」
ラルド「元はサンカク星に居たんだけどね。ある理由でお父さんに魔法で他の星に飛ばされちゃったんだ。其処がたまたまチャオ星だった、って事。だから、兄貴もそう言う理由でマール星にいたんだと思うよ。」
シャドウ「ある理由?」
シャドウが問い掛けた時、動く床からジリーが降りた。
ジリー「ミナサン ココガ チョーチョーガ イルトコロ デス。」
そして、シャドウ達は動く床から降りた。
其処は、ギルダンでは珍しい一階建ての家だった。
それに、奥行きが50メートルくらいある。
幅は10メートルくらい。
高さは、5メートルくらい。
勿論、機械で出来ている。
シャドウ「僕が行って来る。みんなは待っていてくれ。」
マッスル「分かった。」
そして、自動扉を開き、中へ入るといきなり一匹のメカチャオが立っていた。
その後ろには、ボディーガードらしきメカチャオが5匹くらいいた。
町長「ワタシガ コノマチノ チョーチョー デス。」
シャドウ「何故この町に普通のチャオがいないのかを聞きに来た。」
町長「ヨク ワカリマセン。シカシ ギルダンタワー ト イウトコロガ アヤシイ デス。」
シャドウ「分かった。」
なんと、この会話だけでシャドウは家を出た。
ラルド「速かったね。」
シャドウ「ギルダンタワー、と言うところが怪しいそうだ。ジリー、頼む。」
ジリー「リョウカイ シマシタ。」
ジリーが言い終わった後、シャドウはマッスルのもとへ行き、耳元で小さい声で話した。
シャドウ「マッスル、この中に入って町長を【見張っていて】くれないか?」
マッスル「・・・・・分かった。」
そして、マッスル以外は動く床へ乗った。
ナイツ「あれ?マッスルは行かないの?」
マッスル「まぁな。ちょっと体調が悪くてな。」
ナイツ「体には気をつけてね。」
マッスル「あぁ、ありがとう。」
そして、マッスルを置いてシャドウ達はギルダンタワーへと向かった。
マッスルは、町長の家へ入った。
町長「ナンデスカ?」
マッスル「すまない。体調が良くないから、休ませてくれ。」
町長「・・・・・ハイ。」
そして、マッスルは壁に腰をかけて座った。
マッスル(・・・・・)
続く