第一章 ~マール星~ 三十話 「脅威の能力」
マッスルは構えを取り、いつでも攻撃出来る状態を作った。
バトンパスを貰うリレー選手のような構えだ。
オルドはマッスルとは正反対で、何も構えていない無防備状態だ。
マッスル「へ・・・・そりゃ余裕か?」
オルド「いや・・・・これが僕のスタイルさ。」
オルドは、少し微笑んで言った。
マッスル「珍しいスタイルだな。」
マッスルも、微笑しながら言った。
マッスル(珍しいとかじゃない・・・・・・オルドには何がある?俺に攻撃を素直に受けてくれるとは思えないし・・・・・・・・ま、物は試しだな。)
マッスル「衝撃波!」
マッスルは、低い姿勢から一気に拳を前に突き出した。
その衝撃波は、凄いスピードでオルドに向かっていく。
オルドは、微笑を浮かべながらゆっくりと避けた。
その衝撃波は、一本の木をバラバラに吹き飛ばした。
オルド「威力は有っても、当たらなきゃ意味無いよ。」
マッスル「そうだな。」
マッスル(本当は余裕なんだな・・・・・・何でか知らんが勝てる気がしねぇ・・・・・・・・)
マッスルは、また微笑しながら言った。
しかし今回は汗を少しかきながらの、苦笑いのようでもあった。
マッスル「どうした、オルド。攻撃して来いよ。」
マッスルは、手でクイッと招きオルドの攻撃に備えた。
オルド「クス・・・・・・・君が後一回攻撃したら攻撃してあげるよ。」
オルドの不敵な微笑は、終わる気配を見せない。
マッスル「・・・・・言ったな?後悔すんなよ!」
マッスルは、片手に気を集中し、ボヤボヤした黄色の気の球を作った。
マッスル「俺の最強の技だぜ・・・・・・!」
マッスルは、気烈破滅弾を思い切り放った。
気烈破滅弾は、オルドに向かって行く。
が、オルドは一歩も動く気も見せない。
マッスル(気烈破滅弾は俺の意思通りに動く・・・・・当たるのは確実なんだが・・・・・嫌な感じだな・・・・・・)
そして、気烈破滅弾はオルドに当たり見事に大爆発をした。
凄まじい砂埃が舞った。
その砂埃が晴れると、衝撃の光景が広がっていた。
ラルド「あれは!?」
なんと、オルドは先程の場所から一歩も動いておらず、無傷で立っている。
いや、なにより驚いたのは、オルドの前で紫半透明色のシャドウがオーラ・バリアを出している。
マッスル「何でだ・・・・・偽者のシャドウがオーラ・バリアを・・・・・!」
オルド「これが僕の能力、【メモリーズビジョン】さ。」
オルドが微笑しながらたてる声は、森一面に響いた。
続く