第一章 ~マール星~ 二十九話 「風の狼、牙を剥く」
ラルドに向かって突っ込んでくる巨大な根っ子。
しかし、ラルドは前進を止めない。
ドライアド「残念だけど、お終いですね・・・・・・・」
そして、巨大な根っ子はラルドに直撃した。
しかし、その瞬間、根っ子は粉々になって吹き飛んだ。
其処には、前進し続けるラルドの姿が有った。
ラルド「それが必殺技か。この程度でか?」
ドライアドは、明らかに驚いた表情をしている。
ドライアド「くっ、近づくな!」
ドライアドは、ラルドから10メートルくらいの距離をとった。
すると、ドライアドの手に凄まじい程のエネルギーが集まってきた。
ラルド「・・・・・・・・そうか。」
ラルドは、足を止めた。
そして、ラルドも両手に凄まじいエネルギーを集めている。
ラルドは、両手を横に広げていつでも放てる状態だ。
ドライアド「この技だけは・・・・・・どんな技でも破れません!」
そして、ドライアドの手にはエネルギーが集まりきった。
マッスル「俺の気烈破滅弾並のエネルギーだ・・・・・・あのドライアドって奴のエネルギーは・・・・・・・ラルドはどうするんだ?」
ナイリア「でも、負けないよね?」
マッスル「ん、まぁそうだろな。」
そして、ドライアドは技を放った。
ドライアド「深緑光波(しんりょくこうは)!!」
ドライアドの手からは、緑色の光弾が放たれた。
先程の、速い緑斬爪と同じくらいの速さだ。
そして、ラルドも技を放った。
ラルド「サイド・エネルギー!!」
ラルドは、両手を一気に重ねて前に出した。
すると、凄まじい勢いで一本の光線が放たれた。
深緑光波と、サイド・エネルギーがぶつかり合った。
その衝撃は凄まじく、周りの数本の木が吹き飛んでしまった。
二つのぶつかり合いは、サイド・エネルギーの方がやや押し気味だが、信じられない事が起こった。
なんと、サイド・エネルギーの光線の先に緑が芽生え始め、侵食してきた。
マッスル「なんちゅう技なんだ!」
エイリア(あ~、何かウィップさん思い出すなぁ・・・・・・)
侵食されているサイド・エネルギーは、もう勢いを失いそうになっていた。
ドライアド「くっ・・・・・あとちょっと・・・・・・!」
ドライアドは、深緑光波に魔法力を送り込んだ。
ラルド「・・・・・・・終わりだ。」
もうサイド・エネルギーは駄目かと思われた瞬間、サイド・エネルギーがとてつも無く巨大になり、深緑光波を飲み込んだ。
そして、ドライアドの目の前で消えた。
いや、ラルドが消したのだ。
そして、ドライアドが何かを喋ろうとした瞬間、ラルドが高速でドライアドのもとへと動いて、首筋を叩いて気絶させた。
ラルド「オルド、ドライアドは貴方のチャオだ。」
そして、ラルドはマッスル達のもとへ戻っていった。
オルド「すまないな。」
オルドは魔法でドライアドを浮かせ、自分のもとへと運んだ。
そして、魔法のイスに寝かせた。
オルド「次は僕の番だ・・・・・・・相手は誰かな?」
オルドは、イスの近くで言った。
しかし、何故か響いて聞こえるオルドの声。
顔は見えないが、マッスルは何かを感じ取っていた。
マッスル「次は俺に任せろ。」
他の皆も承諾し、マッスルが前へと出た。
オルド「分かりました・・・・・・・」
オルドは、軽くドライアドの頭をなで、マッスルの前へと歩いてきた。
マッスル「やっと顔が見れたぜ。オルド。」
オルドの顔は、普通のチャオと一箇所だけ違う。
目がツリ目なのに、少し丸みがかかっていて、とても穏やかそうに見える。
瞳は赤色。
オルド「ふふ・・・・見た目で判断しちゃ駄目だよ。」
マッスル「あぁ、とっくに分かってるぜ。」
マッスルは構えをとった。
続く