第一章 ~マール星~ 二十六話 「強いぜ、コイツは」
ラルドの言う通りの方向を進んでいくと、何やら木が無い場所に着いた。
真中にイスが有るのだが、イスを中心に半径50メートルくらいまで木が無い。
中心に置いてあるイスは、後ろを向いている。
マッスル「流石ラルドだな。本当にそれらしき場所に着いちまったよ。」
マッスルは、笑いながら言った。
ラルド「でも、あれしか考えつかなかったし・・・・・・」
ラルドは、フードの上から頭をかきながら言った。
ナイリア「そっちの方が凄いよ。」
ナイリアもマッスルと同じく、笑いながら言った。
ライン「んで、あのイスには誰が座ってんだ?」
ラインは、イスに鋭い視線を送った。
???「僕の事かな・・・・・・?」
すると、後ろを向いたいたイスは、バァンと音を立ててバラバラに吹き飛んだ。
その正体不明のチャオの後ろ姿が見える。
水色の、ダークハシリタイプノーマル二次進化のようだ。
マッスル「お前が、此処の森の最強のチャオ、って所か?」
オルド「僕の名前はオルド・・・・・・君の言う通り、この森で一番強い者・・・・・・・・・そして、次元を歪ませたのも僕だよ。君達を試したかったからね。」
男にしてはやや高めのオルドの声が、この森に響く。
ラルド「メカチャオでは無いようだが、何故私達を試すような真似を?」
オルド「完全なメカチャオじゃないだけで、僕はメカが少し入っているんだよ・・・・・・・・頭の中と手に少し細工をして貰ったんだよ、あるメカチャオにね。」
オルドは、後ろを向いたまま喋りつづけている。
ライン「で、そのあるメカチャオってのは誰の事だ?」
ラインは、単刀直入に聞いた。
しかし、オルドは少し黙り込んだ。
オルド「・・・・・それは言えないね。僕の願いを叶えてくれたんだ・・・・・・・強くなりたいって願いをね。あの方の事は絶対秘密だからね。」
その言葉に、マッスル達も少し黙り込んだ。
マッスル「強くなりたいが為に、悪の道へ進んじまったのがいけなかったな。悪いが、お前は倒させてもらう。」
マッスルは、拳を構えた。
オルド「そう慌てないで・・・・・・・ドライアド、出てきて。」
オルドがそう言うと、森の中からヒーローオヨギタイプオヨギ二次進化のチャオが出てきた。
ドライアド「はい。」
オルド「あのチャオ達を・・・・・・・倒して。」
オルドは、マッスル達を指差した。
ドライアド「分かりました。」
そして、オルドは歩き始め、離れた場所でイスを魔法で作り出して、それに座った。
ラルド「ドライアド、女のようだが。」
マッスル「あぁ、強いぜ、コイツは!」
続く