第一章 ~マール星~ 十六話 「護衛」
二手に別れたラルド達。
マッスルとナイリアは、マリィとナルを探しに、町をゆっくりと歩いていた。
何やら、二人とも線目でボーッとした表情だ。
マッスル「なぁナイリア、アイドルのチャオってどんな所にいると思う?」
ナイリア「綺麗な建物の中にいて、♂チャオがいっぱいいる所とか・・・・・・・」
マッスル「あぁ。」
マッスルは、かなり納得したようだ。
マッスル「で、一つ気になってたんだけど・・・・・・・」
ナイリア「何?」
マッスル「この星のチャオが全員メカチャオなら、此処の辺りにいるチャオ全員メカチャオじゃない?」
マッスルは、先程からずっと思っていたらしい。
ナイリア「あ・・・・・・・・何でさっき皆に言わなかったの?」
ナイリアは、一瞬唖然としたが、マッスルに聞いた。
マッスル「もし違ってたら、この町の奴らがやられちまうし、合ってたら、それなりにあいつ等ならやってくれるしな。俺はそれを確かめるのを含めて、アイドルチャオの所へ行こうと思っているんだけどな。」
ナイリア「あぁ。」
ナイリアも、納得したようだ。
マッスル「で、もう一つ気になった。」
マッスルは足を止めた。
ナイリア「何?」
ナイリアも足を止めた。
マッスル「アイドルチャオがいる建物って・・・・・・・・・・絶対此処だろ。」
マッスルは、あるスタジアムを見て言った。
ナイリア「いかにも、そんな感じだね。」
二人が見たスタジアムには、大きな歓迎の看板が有った。
【キャプシティへようこそ!癒しの笑顔・マリィ様と鮮やかな精霊・ナル様!楽しんでいってください!コンサート会場はコチラ!】
しかも、看板を見る限りではコンサートもやっているらしい。
マッスル「じゃ、中に入るか。」
ナイリア「オッケー。」
ボーッとしていた顔も、少し引き締まり、スタジアムに入った。
入る途中から、もう既に綺麗でゆっくりな歌声が聞こえて来た。
一匹しか歌っていないので、マリィかナルのどちらかだ。
そして、スタジアムの中に入った。
いきなり観客席の上の方だった。
地下を掘り下げた東京ドームみたいだ。
入ってすぐに目に入ったのは、警備の多さ。
かなり多い数の警備だ。
マッスル「おぉ~、凄いな、こりゃ。」
ナイリア「凄いね。」
其処に、黒い服を着た警備のチャオが一体近づいてきた。
警備のチャオ「失礼ですが、持ち物を検査させていただきますね。」
マッスル「あ、あぁ。でも、俺は持ち物は持ってきて無いぜ?」
ナイリア「私も。」
警備のチャオ「そうですか・・・・・・・では、チケットをお見せください。」
二人は驚いた。
このコンサートには、チケットが必要だったらしい。
マッスル「チケット、俺もナイリアも持ってない・・・・・・・・」
警備のチャオ「残念ながら、此処はチケットが必要なので・・・・・・・・・」
マッスル「あ、でも、町長さんにアイドルチャオの護衛を頼まれたんだ。」
警備のチャオ「証明できるものは?」
ナイリア「無い・・・・・・・・・」
ナイリアが言い切った瞬間、マッスルの言葉が飛んできた。
マッスル「有るぜ。」
すると、マッスルは無線機を一つ取り出し、警備のチャオへ渡した。
マッスル「いざって時に、無線で連絡するように言われてたからな。其処のボタンを押せば、町長と繋がる。」
警備のチャオ「判った。」
そして、警備のチャオは町長に確認を取って、マッスル達は観客席の前の方に座った。
マッスル「アイドルのチャオが良く見えないが、青いチャオとツヤツヤの緑っぽいチャオが見えるな。」
???「色々、教えてやろうか?」
すると、隣の席のチャオが話し掛けてきた。
マッスル「ん?」
続く