第一章 ~マール星~ 九話 「山登り」
ライン達は、山が目の前に見えるくらいの所まで来た。
山は茶色の土ばかりで、他に見当たるのはゴツゴツした岩くらいだ。
ライン「結構きつい坂になってるな・・・・・・・・・」
ラインは、坂を見上げて言った。
角度で言えば、60度ちょっとくらいだろうか。
バウス「まぁ、こんな事でヘコたれてたら先が大変だしなぁ。」
バウスは、のんびり口調で言った。
ナイツ「皆には悪いけど・・・・・・・・僕は飛んでいくよ?」
ライン「俺も飛べるけど、登れば少しくらい鍛えられるかな?」
ラインはナイツを見て言った。
ナイツ「僕だったら途中でヘバッちゃうよ。」
ナイツは笑いながらラインに言った。
そして、過酷な山登りが始まった。
だが、もう日は暮れ始めていた。
マッスル、ライン、ナイリア、ラルドは結構楽に登れているようだが、バウス、エイリアは大変そうだ。
そして、その光景をナイツは飛びながら見ている。
エイリア「も、もう駄目~!」
エイリアは、ゴツゴツした岩に座り込んでしまった。
バウス「ワシも・・・・・・・・・死ぬ・・・・・・・・」
バウスも、ゴツゴツした岩に座り込んでしまった。
ライン「さっき【こんな事でヘコたれてたら】なんて言ってたのは、何処の誰だっけな~?」
ラインは、横目でバウスも見ながら言った。
バウス「だ、駄目なもんは駄目なんじゃよ!」
ライン(逆ギレかよ・・・・・・・・)
ラルド「でも、日も暮れてきたし、今日は此処で野宿が良いと思うよ。」
マッスル「あぁ、賛成だ。町でアレだけ動いたからな・・・・・・・・疲れちまったよ。」
バウス「・・・・・・・誰か食べ物は?」
マッスル「今日の夜は食べ物無しだ。明日、何か食い物を探そう。」
バウス「あぅ・・・・・・・・・・」
そして、夜になり、辺りは真っ暗になった。
そこで、エイリアの火の魔法で焚き火をした。
エイリアとラルドは大きな岩に寄りかかって眠った。
マッスル、ライン、バウスは土の上に寝転がって眠った。
ナイツは疲れていないのか、座ってはいるがまだ起きている。
ナイツ(なんか今日は僕だけ楽をしちゃったな~・・・・・・・・・)
ナイツは大きなため息をついた。
と、その時、ナイツの耳に何かが聞こえた。
ナイツ「何・・・・・・・・?」
しかし、辺りには静寂のみ。
ナイツ「気のせい・・・・・・・・かな?でもなぁ、この場合だと何かいるんだよなぁ~。」
ナイツが頭を掻きながら言い終えた瞬間、ナイツより10倍近く大きいハゲタカらしき鳥が姿を現した。
ハゲタカらしき鳥「・・・・・・・・・・・・」
ハゲタカは、声を出さず、音も立てず、ナイツの仲間たちを起こさないようにナイツに襲い掛かってきた。
ナイツ「ホントに来ちゃったよ・・・・・・・・・」
ナイツは、半目で困りながら言った。
ナイツ(ま、でも今日は僕が楽したわけだし、一人で頑張ってみるか!)
ナイツは立ち上がり、空を飛んで構えた。
続く