-SENSE- 1 欲望
『今日も暑いな・・・』
1匹のチャオが汗を垂らして空を見上げる。
電車の音、人ゴミ、信号の点滅、そびえたつビル、カンカンと照らす太陽。
いろいろなものが1匹のチャオの目にいっきに焼き付いていく。
今日の気温は30度以上・・・・ヒートアイランド現象による地上の暑さがチャオの体を人間以上に蝕んでいった。
ここは地球・・また世界で少なからず平和な国――――【日本】―――――――――
その日本で一番の情報が飛び交う町―――――――――【東京】―――――――――
xxxx年、この世界に『チャオ』という生物が突如全世界中に現れる。
見たこともない形、浮遊しているポヨという物の存在。
世界中の科学者はチャオという生き物に興味をしめし、つぎつぎと捕獲を始めた。
研究はすぐに始まった。
人と同じようにコミュニケーションはとれるのか、言語の違いなど・・。
チャオを見つけて3カ月後、驚きの検査結果がアメリカの宇宙機構・NASAから発表された。
チャオは『人と同じくらい知能がある』とのこと。
『人間の知能と同じ』
これは全世界に恐怖を与えた。
人というのは全動物最強の種族・・・そう考える人もいる。
兵器・権力・国家
この3つを手に入れている人間と同等の種族が現れる、どれだけこの事が怖いことなのだろう。
支配をしてきた物がいっきに恐れをなした瞬間である。
道は『共存』・・・・・・はたまた『戦争』この2つに別れていくのだろうと科学者は確信していた。
人間が負けるはずがない、人間こそ最強。
食物連鎖を壊している人がついに食物連鎖・輪廻の仲間入りする時期がきてしまったのであろうか・・・・・・・・。
人間は少なからず怯える・・・・・しかし
チャオに『戦争』という考えはなかった。
人と違い『支配』という物は知らなかったのである。
チャオは穏便であった。人と同じ知能であれ、人を警戒することを知らなった。
とある無人島にはチャオ独自の文化を持つ国ができあがっていた。
そこに人間がいけば歓迎された。チャオは人を敬っていたのだ。
自然とともに共存をともチャオは話す。
ならば『共存』。人とチャオは共に生きる事ができるだろうという新たな歴史をつくる幕開けとなる・・
はずであった。
人は人。チャオであれ『支配』をしなければ気が済まない。
人間の『欲』は止まることはないのである。
続く。