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「一体なんなんだ?俺は何もしていない。解放してくれ」
俺は無気力に言う。何か良く分からない。状況が理解できない。
「俺はこのチャオを救うことを前提に、この銃と弾を預かっている。このチャオからだ。
救えたらこの銃と弾が報酬だ。願ってもいない話でな」
結局は自分の利益のみ。俺には何も回ってこない。
それに、救うってのがそもそもおかしい。ライトカオスは死なない。不死と言われている。
「このチャオの寿命を長くしろって?ライトカオスなのは分かってるよな?」
と、ちょっと追い詰めてみる。これで距離も詰まるって物だ。
「分かってる。このチャオに寿命を訪れさせることができれば成功なんだ。
虐めればいいって考え方もあるが、感情が潰れてる。虐げられているという表現がまったく無い」
あの言葉の意味を理解できた。それでも、俺はチャオに詳しいってワケじゃないしまったくわからない。
「俺に押し付けるな。誰だって解決できない問題だ」
そう言って、病室に帰ろうとしたら警官が突入してきた。通報は既に大半が完了していた。
病院の本部ではなく、普通に警察宛ての通報であった。
通報者が死んでいる以上、黒と決定して行方を追っていた。そして、駐車場。
発見したことを伝え、全員で駐車場を囲む。
「武器を捨て地面に伏せなさい」
警告である。急いで地面に伏せる。
男は武器を持ち、地面に伏せてこういった。
「これでお前の人生は終わったも同然だ。遅かった。
何を言おうと、この銃と弾を抑えられない限りは警察は俺ら二人を犯人であると断定するしかない」
確かに、患者は男ばかりに集中していた。そこを一気に突くにはあと何人かの助けが必要である。
だが、あの状態で一度に三発撃った。つまり、自動的に数人の犯行となるわけだ。
銃と弾という不思議な物を抑えられないと、誤認逮捕。だが、精神は異常なしという判定が出る。
つまり、終わったも同然だ。一緒に逃げないと行けない。捕まったら捕まったでワケを話せばいい。
警官からこちらの様子が良く見える。武器を捨てていない男に、牽制目的で銃弾が一発放たれた。
当然、牽制なので当たらない。
「武器を遠くへ投げ捨てろ」
警官から警告が出た。とりあえず、感想は"怖い"。
下を見て、涙目になりながらも黙り、伏せている。この状況での心境が分かる人は少ないであろう。
そのときだ。男があの銃から弾を発砲した。
その瞬間、警官が一斉に近づく。煙を貼るために、筒も用意してあるが使わずに持っているらしい。
そして、しばらくしてもう一度銃を発砲する。時間が、世界に吸い込まれる。

このページについて
掲載号
週刊チャオ第220号
ページ番号
6 / 10
この作品について
タイトル
「生命への冒涜を求めて」
作者
Sachet.A
初回掲載
週刊チャオ第220号