32話~仕向けると仕掛ける~
「あ~、つまらないねェ。」
ライトカオスはその一言で片付けた。
ディロフォが担架で運ばれている。
かなりの大怪我らしい。
《待合室》
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しばらくすると、聞き覚えのある、嫌な声がした。
「よぉ、ジュエチャ!
探したぜ~!」
レッドメアだ。
あとは、ナイト、ミント、その他大勢がいる。
「やっぱりカーラを先に行かせて正解だったか。
とても楽だ。」
ナイトが呟く。
「・・・オレは道具カ?」
ライトカオスがため息をする。
どうやらカーラというのは彼らしい。
「あなた達が仕向けたのですか?」
ランスが微妙に呆れた声を出す。
「失礼な。仕掛けたんだ。」
スマッシュが胸を張って言う。
「似たようなもんだろ。」
レッドメアが言い返す。
「いや、仕向けるは生き物だが、仕掛けるは道具だ。」
 ̄ ̄
(・・・やっぱりオレは道具だったか・・。)
カーラが肩を落とす。
(・・・・て言うか実質変らないし。)
ランスが心の中でツッコミを入れる。
「・・・自己紹介をするヨ。名前はカーラ。
なまっているのは別の国で生まれたかラ。
ディープ王の命令でここへ来タ。
・・・正確にはこいつらに騙されタ。」
最後にボソッと嫌味を言う。
「・・・で、次は決勝の筈よ。
準備はいいの?」
「あ、そうそう。
そういえばそうだったな。」
ミントとナイトがカーラの言葉をスルーしている。
「一応、ヤバイと思ったら俺が駆けつける。」
レッドメアが言う。
「いや、次はサンブロックの番だ。
まだ時間はある。だからその間に・・・」
ジュエチャは、レッドメア達にあることを頼んだ。
「フン、お安い御用だ。
・・・・カーラ、行ってきてくれ。」
(絶対道具だ・・・。)
カーラは心の中で呪詛の言葉を呟いた。
続く