２１話～シルヴァ（３）～

「たぁっ！！！」
シルヴァがとどめをさそうとしていた時、シルヴァの背後―――――テントを背に向けていた―――――からフェニクが飛びだす。
全く背後を気にしていなかったシルヴァの背後に斬りかかる。
「ぐっ・・・。」
無防備のまま倒れるシルヴァにジュエチャが肘鉄を食らわした。
そのまま崩れるように倒れていく。

「ふぅ・・・、独り占めとは狡賢いね。」
フェニクが剣を下ろす。
だが、剣といっても逆刃なの出殺す事は出来ない。
「別に独り占めしたかった訳では無いのだが。」
ジュエチャが座り込む。
相当な【気】で縛られていた為、体力が尽きているのだ。
「で、こいつどうするの･･･っ!!」
フェニクが倒れたシルヴァを突付こうとした時、フェニクの背後から―――――それはクイックだったが―――――攻撃が来る。
「大丈夫だ、シルヴァ様を連れに来ただけだ。」
クイックがグッタリとしている―――――フェニクは相当な力で斬りつけたらしい―――――シルヴァを抱える。
「それにしてはちと酷いな。」
ジュエチャが座ったままで喋る。
「こうしないと必ずバレるからな･･･。それより貴様こそ、俺の事を貴様の仲間に言わないとは。それこそ酷いと言うものだぞ。」
回りは暗闇だ。他の仲間は熟睡しているらしい。
「あれくらい勘で当てれると思ったものだからな。」
「･･･････フン。」
口先だけで笑った後、クイックは歩いていった。

続く