19話~シルヴァ(1)~
フェニク達が走って向かっている先から急に爆発音が聞こえた。
「な・・・何?」
先頭を走っていたフェニクが止まる。
「おいおいおい、死んじまったら洒落になんねーぞ。」
ランスがフェニクの横に並びながら言う。
「でも・・・、大丈夫だと思いますよ?」
クルシスがランスの横で喋る。
「アレくらいで死ぬような奴じゃねーよ。アイツがぶっ壊したんだろ?」
エメラスがランスに食ってかかる。
「賭けるか?」
ランスが懐からリングを取り出す。
そしてエメラスもリングを取り出そうとしたとき・・・。
「人の命を賭けるか?」
背後から声がする。
2匹とも背筋がゾクッ・・・っと。
「ジュ・・ジュエチャ!」
フェニクは爆発した方を見るのをやめ、振り向く。
「で、そこの賭け相手とフェニクの隣は?」
まず、先にランスが名乗る。
「俺はランスだ。で、アイツがスピア。あまりにも貧弱だから合流しただけだよ。」
喧嘩を売るつもりか、エメラスをチラッと見る。
「貧弱だとぉ!貴様よりはマシな筈だぜ。」
そしてエメラスが喧嘩を買う。
「それより、もう夜だ。野宿の準備をしとけ。」
ジュエチャが薪を集めに行く。
「また野宿~!?」
物々言いながらも、フェニクはリュックから小さめのテントを出す。
《夜更け頃》
ジュエチャはやはり薪に火をつけ、座っている。
寝ずの番だろうか。
幸いそれがあってシルヴァに襲われずに済んだのだが。
「・・・・・・。」
「隠れてないで出て来い。」
続く