１６話～別組織～

《ある基地の牢獄》
「ちっ・・・。開かないか・・。」
ジュエチャは先程から鉄格子を破ろうと必死になっている。
「････最終手段か･･？？エンドオブハート！！！」
ものすごい音とともに鉄格子が吹き飛ぶどころか宙で粉々になっている。
「ったく・・。」
ジュエチャはホコリまみれになった体を払う。
そこへ警備員が巡回に来た。
「なっ・・。（マインド・ブラスト！）」
「脱そ・・・・・・・・・。」
脱走者と叫ぶつもりだったのだろうが、手遅れだった。
「面倒臭い真似を・・・・。」

《基地こと洞窟》
「まだやる気か？今の俺は違うぞ・・？」
「ぐっ・・・・。」
大勢にもかかわらず押され気味でいる。
そこへもう１匹チャオが現れる。
「そこらへんにしておけ。それより貴様にとって崇拝なるシルヴァが呼んでいるぞ。」
ガルドだ。口調で分かる。
「・・・・・。わざわざ貴様に教えてもらわなくとも分かっている！」
そう言うとブラックスは消える。

「ん・・・。助けてくれたのか？もとは敵なのに・・。」
「誰が助けたと？馬鹿が。」
（信用したのが間違いだった・・）
チャースが心の中で言う。
「俺はあいつらと敵対しているだけ。シルヴァの元につきたくないだけだ。」
「・・・の割には随分と親切に見えるわね。」
ミントが口を挟む。
「とにかく、今は貴様らと戦うつもりは無い。」
ガルドがミントをさり気に無視しながら言う。
しかも言い残して消える始末。

「・・・さて。これからどうする？」
「とりあえず、俺は家に帰るぞ。」
チャースが言う。

「ナイトさん、俺…あいつらに付いて行きたいのですが。」
「オレもだな。」
ランスとスピアが意見を出す。
「別にいいが…何故？」
「あんな奴らじゃ不安ですから。護衛です。」
スピアが嫌味っぽく言う。
「護衛ならありがたいが･･少なくとも弱くは無い。」
エメラスが噛み付くように言う。
「誰も弱いなどいってません。で、いいですね？」
「まぁ・・・・・。良いだろう。」
バルダも了承を下す。

「で、俺たちなのだが。」
レッドメアが説明しだす。
「俺たちは、王子からジュエチャ達を守るように言われている。一応無線を渡しておくから。」
そう言って細長い機械を取り出す。
「・・・・チャンネル？」
受け取ったフェニクが首をかしげる。
「ま・・・間違えた！それ、テレビのリモコン！」
「そんなもの間違えるか？コレだろ？」
ヒットが手渡す。
「ティッシュ箱、それ。」
フェニクがまた返す。

「あー、もういい！！後は貴様らでやってろ！」
ナイトたちも帰っていく。
「私も呼ばれない限りは行くつもりは無いから。」

「リモコン渡すより異常だな。」
エメラスが嫌味を言う。
「だっ･･黙れ！！コレだっ！」
「今度こそ本物か・・。」
「じゃ。」

「………そういえばジュエチャの件は？」
クルシスが聞く。
「「「「あ゛。」」」」
合唱となった・・・。

続く