9話 ~相反する存在~
あの3秒間の沈黙の後、さらに5秒・・・。
そしてその5秒後、外で爆発音がした。
「な・・・なっ!?なんだぁ?」
フェニクがとぼけた調子で言う。
「なぁ、じいさん。如何してオレが・・・」
ジュエチャが言いかけたとき、剣翔が制する。
「今はそれどころでは無い、外へ行くぞ」
「ひ・・・ひでぇ」
外を見ると殆どの家が壊れている。
「ちっ・・」
壊れた家の上を見るとシルヴァが立っていた。
「いい。フォード、もう少しやっておけ。クイックもだ」
「またてめぇか。ひでぇやつだな」
エメラスが喧嘩腰に言う。
「今日は貴様らとやり合うつもりは無い」
「い・・・いました!こいつのはずです!」
フォードが叫ぶ。その右横にはチャオがいる。
「適当に捕まえろ」
「じゃ、縄で・・。ヨイショ」
縛ろうとしているしかし・・。
しかし横から声がした。呪文を唱えている様にも聞こえる。
?「テンペスト」
「な・・・なんだこの光は!?」
フェニクが言う。
「な・・・アイツか。ここは引く。クイック。行くぞ」
「HIGH」(はい)
「ふざけなくていい。いくぞ。さもなくば・・」
「あ・・・っはい!」
「・・・置いていかれたが、いいのか?」
ジュエチャが倒れたフォードをみて言う。
「だっ・・・黙れ!!・・・さらばっ!」
「何だアイツ」
エメラスが落ち着いて言う。
?「あ・・・・、貴方達は?」
「・・・まず自分から名乗れ」
ジュエチャがシルヴァの消えたほうを見て言う。
?「ボクは・・、クルシスって言います」
「先程の魔法はお前か」
剣翔が聞く。やはり、シルヴァの消えた方を見ている。
?「・・・ボクです」
「俺たちは、旅をしている」
?「あの・・、同行させてもらえませんか?」
「そりゃ、もう君のような強い奴がいれば・・」
フェニクが喜んで言う。
「・・・・別によいが。・・・(小声で)ただ、変な真似はするなよ」
ジュエチャがフェニクを睨んで言う。
最後の言葉は、クルシスだけに聞こえるように言った。
「・・・はいっ!ありがとうございます!」
「話は済んだかの」
ジュエチャの体がビクッと震える。
「ひっ・・。はい。で、俺たちはどこへ向かえば・・」
「自分達がわかっておるはずじゃ」
「・・・あいつらを何とかするんだな」
「うむ。ココから北西に向かうといいだろう」
「じゃ、ありがとな、じいさん」
エメラスが荷物を持ち、言う。
「ああ。」
そしてある場所では・・・。
「クルシスが入ったな・・・。」
シルヴァが言う。
「苦戦しそうだな。」
続く