10話~暗殺集団ラージニス~

「あの・・・。どこへ向かうつもりですか?」
クルシスがジュエチャに話し掛ける。
「暗殺集団の基地だ。先日兄が落としていったものだ。」
「お前いつの間に手に入れたんだよ・・。」
エメラスのため息が聞こえる。
「此処から北東。要するに前進する訳だが・・。そこにラージニス第一防衛拠点がある。」
「だいいちぼう・・?」
フェニクには意味がわからないらしい。
「第一防御地点。本拠地がやられた時に使われる重要な拠点だ。」
「さすが、国家の息子は考える事が違うぜ。」
エメラスが皮肉を込めて言う。
「国王の側近の言う台詞か?」
ジュエチャも負けじと言い返す。

そんなこんなでラージニス第一防衛拠点・・。

「うっわー・・。警備が厳しいよ・・。」
フェニクが物陰から覗きながら言う。

「仕方ない。マインド・ブラスト!」
近くにいた警備兵を倒す。
「がっ!」
空しく崩れ落ちる。
まだ気付いていないらしい。
「この衣服を頂くか。」
「仕方ないか。」
剣翔が落ち着いて言う。

「何者だ?」
警備兵が言う。
「いや、中に入りたいのだが。」
ジュエチャが低めの声で言う。
「暗号を言え。」
「えっ・・。」
フェニクが声を出す。
「ん?早く言え。」
「ちっ!」
剣翔が肘うちを食らわす。
「くっ・・・くせも・・。」
曲者といいかけたらしい。
「入るぞ。」
平然と剣翔が言う。
「結構乱暴だな・・。」

基地内
「管理室は何処だ?」
ジュエチャが何故かエメラスに聞く。
「しるかっ!」
「うーん・・。この扉の奥じゃない?」
フェニクが適当に言う。
「おいおい・・。」
アズマが呆れた調子で言った。

「ここは・・・?扉がやけに沢山あるが。」
「おそらく、ここら辺に管理室があるのだろう・・。この扉のどれかに。例えばこれとか。」
剣翔が「№ *61 23 61」と書いてある扉を開ける。
「おい、この数字は・・。」
エメラスが言いかけたとき・・。
ドゴォォォォ!
ものすごい音とともに扉が爆破。
勿論剣翔は呆気に取られている。
「あ・・・・。」
「おーい・・・。大丈夫か?」
エメラスが声をかける。
「何だ・・・この扉は。ん?」
ジュエチャが側にあった石版を調べる。
こう書いてある→「*=゛ 11=あ」
「・・・なんだこれは?」
ジュエチャが悩んでいると、全員が石版を見る。
「・・・そういう事か。剣翔。それは爆破と書いてある。」
アズマが切り出す。
「・・・・・・・は?」
「だから、先程の「№ *61 23 61」は爆破だといっているのだ。」
「話の順序というものを考えてから喋れ・・。・・・・どういう事か説明してくれ。」
剣翔とアズマのやり取りが続く。
「えっと・・・、「*=゛」「11=あ」だろ?だから、最初の1は50音準の1行目、・・要するにあ行。そして、2番目の1は何番目かということだ。要するに「1行目の1番=あ」だ。因みに、*=゛はそのまま。・・・・分かるか?」
「ああ・・・。そういう事か。じゃあ・・・。」
剣翔が「№ 21 103 92」の扉を開く。

「待っていたぞ。」
「なっ・・・クリムゾル!!」
ジュエチャが戦闘の構えに入る。
「此処を破壊する気だろうが、そうはいかない。俺は強くなったのさ・・・・。来ないなら、いくぞ!!!」

続く

このページについて
掲載号
週刊チャオ第91号
ページ番号
10 / 38
この作品について
タイトル
「世界観」
作者
リノ(チャル,チャチャ,冬楼閑)
初回掲載
2003年9月29日
最終掲載
週刊チャオ第123号
連載期間
約9ヵ月13日