7話~クリムゾル~
「先に攻撃させてもらうぞ。∞ランス!!」
クリムゾルが攻撃を発するとともに異常な数の槍が降ってくる。とても耐えれそうに無い。
「えっ・・・。防げないよ!!」
とか言いながら全ての槍を弾き落としている。
そこで防御に夢中になっている時に・・、
「背後だ。」
背後から一突きで終わった。
「ぐっ・・・。」
声とともに手から剣が滑り落ちる。
しかしジュエチャは別の場所を見ていた。
木の上に乗った真のフェニクを。
「ライトフェニックス!!」
クリムゾルは岩を見つめていた。側に木の枝が落ちている。
フェニクはクリムゾルに一時的な幻覚を見せていた。
実は昨日ジュエチャに教わったものだ。
ジュエチャは30分近く幻覚を見せれるとか。
「・・・っ!!岩か!!剣は・・・木の枝!」
ちょうどこの時だ、フェニクが技を発したのは。
「ちっ!!∞ランス!」
光速で斬ろうとする相手の気配を感じ取るのだから凄い。
そのためにフェニクは技を失敗した。
(一瞬で気配を感じた・・・?)
フェニクには信じられなかった。
一応は剣士でもまだ認められてからそんなに経っていない。
今のフェニクには到底不可能な技なのだ。
その考えてる一瞬に隙があった。
「今度こそ本物だな。」
背後から声がした。そして・・。
「ぐっ・・・。」
今度こそ本当に倒れていた。
ジュエチャも何処も見ている様子は無い。
「アズマ、重態だ。治療を頼む。」
剣翔が落ち着いた声で言う。
「一応は仲間だ。赤翔閃!!!」
クリムゾルに攻撃を出す。
「何人がかりでも無駄だ。∞ランス!」
クリムゾルの背後で殺気がした。ジュエチャだ。
「本当に何人がかりでもか?」
氷のような冷たい声だ。
「・・・・・。」
クリムゾルは答えない。
「ならば、総がかりで行くぞ!マインド・ブラスト!」
右にもエメラスがいる。
「ド・メルシ!!」
クリムゾルは左に逃げようとした。
「っ!!何故貴様が!!」
そこにはフェニクがいた。
「アズマは凄いよ。数十秒で治っちゃったもんね。オメガフェニックス!!」
これで完全に挟まれた状態になる。
クリムゾルが最後に聞いたのはシルヴァの声だ。
その後は覚えていない。
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「逃げられたか。」
ジュエチャが言った。
攻撃した直後、シルヴァが着て連れて行ったのだ。
「あと少しだったのに。」
フェニクがつまらなさそうに言う。
「もういいだろう?次に進もう。どうせまた来るだろうな。」
エメラスが止めに入った。
進むあては無いが、また旅を始めた。
続く