参~狙われし物~
狙われてますが大丈夫ですか?
オヤジチャオがチャルズに言ったのを、シェリーには聞こえていた。
カオスエメラルドか。 それともマスターエメラルドか。
いずれにしろ、ガーディアンが守っている。それを誰が狙うのか。 狙えるのか。
そんな思考が流れる。
他にも、何か特別な物質だったり、チカラだったり・・・
「何を考えている。」
横を思わず見た。 黒くて寝癖がある・・・
寝癖じゃない。 種名はシャドウチャオの、グレウだった。
小さい頃に遊んだことがある、幼なじみだった。
「なんでココに??」
「あそこのオッサンに用がある・・・」
何の様か・・・・ それはまず聞かないことにした。
しかし。 でも何故居るのだろう・・・ やっぱり頭を駆けめぐっていた。
「おい」
「なんだっ!!!! ・・・・・ぁぁ。グレウじゃないか」
「知り合いなの・・??」
「いや、知り合いも何も・・・」
ながながと話をしてくれた。道筋はこうだ。
グレウは昔、スパイ専門の会社に居たらしい。
そしてある日、オヤジチャオへ依頼があり、それが、【ある会社の怪しい薬などを処分して欲しい】
というものだった。それにグレウとオヤジチャオは手を組んで任務を遂げた
という話だった。
しかし。今回は何をしに来たのか。
「おい オッサン。」
「ああ。 その気になってくれたのか。じゃぁチャルズさんに言ってくるな。」
パタン・・・とドアが閉まる。グレウは遠くをじっと見つめ、気にかかった不思議な置物に近づく。
「ねえ、グレウ?」
「なんだよ・・・」
「何しに来てるの・・・??」
「うーん・・・・ 言って良いか分からないけど 誰にも言わないか?」
「・・・うん。」
「ココの研究所に強い力を手に入れられるって言う剣と弓があるんだと。 そいつの護衛だ。」
「強い力・・・・か。」
「むやみに口突っ込むなよ・・・」
そう言うとまたじっと置物を物珍しそうに見る。
その背には大きな傷があった。 しかし、驚かなかった。
その傷は、幼き日に付いた傷だからだった。
理由だって、庇って出来た。 シェリーを庇って出来た物だった。