四~過去ノ記憶~
おかーさん。 おとーさん。
そういって抱きつくのは、シェリーだった。
笑っていて、楽しそうだった。
いいこにしてた??
そっと抱き上げた、白い純白のチャオ。 シェリーの母だった。ネリス・ネオン。
うん、いいこにしてたよ!!
ふふっ・・・・ それなら良かった。寂しくなかった??
大丈夫!!だって、強いもん!
あははは。 そうだな。シェリーは強いよ。
父親のフレア・ネオンに肩車して貰っていて。
笑顔は耐えなかった。
そのときには、もう何も無いと思われていた。 暗い闇なんて、想像も出来ないぐらいの。
暗き闇が起きる時 世界滅亡の時となる。
今や戦士剣さびし、勇気の風さえ吹かず。
時間すぎつつ、滅亡を待つ・・・
そして何も無くなった。 笑顔さえ。
残ったモノは絶望だけで。 残ったモノは、赤い血だ。
おとーさん・・ おかーさん・・・? ど・・・こ・・??
シェリーちゃん・・・??
ぐ・・・グレウ兄ちゃん・・・・・
お母さんは???
わかん・・・ない・・・・
そっか・・・
沈黙が流れた。 何を言えばいいか解らない。
―――――大丈夫!!だって、強いもん!―――――
言えたことが不思議で、いざとなれば足が震えた。
残ったモノは穴あきの記憶と、絶望。
わぁっ・・・
シェリーの体が浮かぶ。 背後には黒い闇があった。
シェ・・・シェリーを返せ!!!
__何故。
な、何でもだ!!! 返せ!!!
__無力なチャオに言われるのは侮辱だな・・・・
・・・・うぉぉぉぉぉぉぉ!!!!
グレウ兄ちゃん・・・!!!!
何も持っていない、ただのグーで、真っ正面からぶつかった。
かすりもしなかった。 勢い余って転んだのが現実。
グレウ兄ちゃん・・・
__終わりだ・・・
稲妻のごとく 我にチカラを与えん・・・
天地を切り裂く ソナタのチカラの代理の我、
チカラを借りんことを許し下さい・・・
バチバチバチ・・・・ 稲妻の剣。
その剣は、グレウに振り落とされた。
キャァァァ――――――――――――・・・・・
部屋に響いた声。 その声を元に駆けつけたのは
グレウだった。
「ど、どうした・・・??」
「グ、グレウ・・・???」
夢を見ていた。 過去の辛い記憶。 無力な自分の記憶。
穴あきの記憶・・・・・
グレウの怪我の記憶。
「大丈夫か・・・・??」
「どうかした・・??」
ぞろぞろと集まるチャオ達。 言えば、助けに来てくれたというモノだった。
「大丈夫。 なんか変な夢見ちゃって。。。」
空が黒く染まることを。 だれも知らなかった。
黒く染まりし空の彼方に 金の龍現れん。
金の龍チカラ貰えば その者不老不死の身を授かるで在ろう。
そして 天地を切り裂く闇の刃を向き、世界滅亡が始まるであろう。