エメラルドの栄光(その5) ページ1

海と大地のハザマにあるという、バイチャオンウエル。
全ての魂が帰る場所ともいわれるその世界は、地上ビト達の邪念により、淀んだ世界となっていた。
チャミーはそんな世界を浄化すべく、ジュエル四天王に挑む。

エメラルドチャオは、エメラルドダークカオスに進化し、チャミーを完膚なきまでに追い込んだ。
一週間をきった、C−1グランプリ決勝戦。そこでエメラルドダークカオスがアメジストチャオの代わりに闘うらしい。

チャミーは、滝にうたれて修行中です。
エメラルドダークカオスのチャオインフェルノ。
これをやぶらないと、チャミーに勝機はない。
しかし、三つの幻の必殺技に数えられるチャオインフェルノ。
これが一度発動したら、逃れることは不可能。ならば、発動前に潰すしかありません。
チャオインフェルノは、対象チャオの周りを動き回り、対象チャオを翻弄させ、その隙に背後からドロップキックをぶちかますことにより、発動します。
ならば、その背後からの攻撃に反撃を与えられれば、あるいは…。

「! はっ!」
チャミーは滝から前転して離れます。
滝からは、大きな丸太が流れ落ちてきます。
そうチャミーは、滝の上から丸太を流し、背後から自分を襲う気配を敏感に感じ取る修行をしていたのです。

しかし、こんな修行が、まともに修まる訳がありません。
チャミーは丸太を避けきれず、気絶してしまいました。


「う、う~ん、…、はっ。」
しばらくして、チャミーは気が付きます。
全身を貫く痛み。
その激痛に耐えた時、あることに気が付きます。傷口に包帯が巻かれてます。
チャミーの視線に、1人のチャオが飛び込みます。
川原の水で、両手をじゃぶじゃぶ洗ってるチャオです。
青紫色した、ニュートラヒコウタイプのチャオです。
しかし、ヒコウタイプ特有の大きな翼は、片方しかありません。
左の翼は、普通のチャオと同じくらいの大きさしかありません。
「ん?気が付いたのか、チャミー。」
青紫チャオは立ち上がると、チャミーに近づきます。
「あなたが手当てしてくれたちゃお?」
青紫チャオは、うなずきます。
「でも、どしてアタシを助けてくれたちゃお?」
チャミーの問いかけに、青紫チャオは視線をそらします。その視線は、自分の背中の翼に向けられてます。
「オレも、エメラルドダークカオスに恨みを持つチャオ。チャミー、オレもお前の修行に付き合う。オレに作戦があるんだ。二人が力を合わせれば、エメラルドダークカオスを倒すことも可能だ。」
青紫チャオの言葉に、ちょっと考え込むチャミー。
今の修行には、限界を感じているチャミー。ならば打開策として、青紫チャオの提案を受けるしかないのか?

「いいちゃお。」
チャミーは青紫チャオの申し出を受けます。
「よ~し、ならば早速修行を始めよう。エメラルドダークカオスは、チャオインフェルノを仕掛ける前に、必ず鳳凰天舞を仕掛けてくるはず。そこで、…。」

「なるほどちゃお。その手があったちゃおね。」
青紫チャオの作戦は、チャミーには考えもつかなかった、起死回生の、まさにこれしかないという作戦でした。


三日後。
なんとかモノになってきたチャミー。
「よ~し、あともう少しだ。気合入れていけ、チャミー!」
「ちゃお!」
どかどかどかん!
なんの前触れもなく吹き上がる水柱。
何者かが、川原の水面に何かを放ったのです。攻撃するためのなにかを。チャミーを狙って。
チャミーと青紫チャオは、その攻撃の来た方向を振り向きます。
エメラルドダークカオスです!
「そんな、まだC−1グランプリには日があるちゃお!」
エメラルドダークカオスとの対戦は、C−1グランプリ。今はまだ、闘う時ではない。
エメラルドダークカオスは、チャミーに歩み寄ります。そして、チャミーの隣りに青紫チャオを見つけます。
「おや?新しいお友達ですか?まあいいでしょう。C−1グランプリではあなたではなく、アメジストチャオを処刑することに決めました。」
「なんだってぇ?」
エメラルドダークカオスの言葉に、青紫チャオが聞き返します。
「新しいジュエル四天王のボスは、この私だということを、世に知らしめるためですよ。その為にまず、あなたにはとっとと消えてもらうことにしました。チャミー・ローズ!」

エメラルドダークカオスは駆け出し、チャミーにパンチをくりだす!
チャミーはジャンプでかわし、エメラルドダークカオスの背中を蹴り、エメラルドダークカオスの後方へと前方宙返りを決め、距離をとります。
「私の電光石火な攻撃をかわすとは。なるほど、修行の成果というわけですね。」
エメラルドダークカオスは振り返り、チャミーをにらみます。
「そういうのを、無駄な努力というのです!この技で、自らの敗北を知りなさい、鳳凰天舞!!」

エメラルドダークカオスはチャミーの周囲を高速で回り、その中心につむじ風を発生させます。
浮き上がるチャミーの体。
風に乗り、様々な方向から蹴りをぶちかますエメラルドダークカオス。
多方向からの蹴りの力

このページについて
掲載号
週刊チャオ第125号
ページ番号
14 / 28
この作品について
タイトル
チャニックアドベンチャー2後日談チャミー編
作者
あさぼらけ
初回掲載
週刊チャオ第121号
最終掲載
週刊チャオ第128号
連載期間
約1ヵ月19日