ジュエリスト(その4) ページ3

倒れるアメジストチャオ。
エメラルドダークカオスは、アメジストチャオのチャオのアレをつかみ、持ち上げます。
アメジストチャオの身体も、徐々に持ち上がっていきます。
「いい様だな、アメジスト。」
「まだだ!」
にやりとほくそ笑むエメラルドダークカオスに対し、アメジストチャオは背中の翼を羽ばたかせます。
そう、アメジストチャオは、ニュートラヒコウタイプのチャオでした。
アメジストチャオはエメラルドダークチャオの手を弾き、上空で停止します。
「地の果てまで吹き飛べ、イカロスハーケン!!!」
アメジストチャオは、ヒコウタイプ特有の大きな翼を羽ばたかせます。
その巻き起こす風は、全てを吹き飛ばす突風となります。

「ふん、なんだこのそよ風は?」
「なに?」
傷ついた身体の為、イカロスハーケンの威力は、そんなになかった。
しかし、それでも玉座の間の壁に亀裂を走らせるほどのイカロスハーケンのすさまじい威力。
それを耐え抜くエメラルドダークカオス。
エメラルドダークカオスは、アメジストチャオに向かい、ジャンプします。
「ぐはぁ。」
アメジストチャオの身体に、ダークカオスの二本の角が突き刺さります。
そのままアメジストチャオの背に回りこみ、左の翼に手をかけます。
「や、やめろ~!」
ぶち。
エメラルドダークカオスは、アメジストチャオの左の翼をぶっちぎります。

地面に倒れるアメジストチャオ。その目の前に立つエメラルドダークカオス。
エメラルドダークカオスは、つま先をアメジストチャオののど元に入れます。
カカトを軸に、てこの原理でつま先を上げると、アメジストチャオの顔面が上を向きます。
目が合う、二人のジュエルチャオ。
「アメジスト、オレの名前を言ってみろ。」
「ぺっ。」
エメラルドダークカオスの言葉に、アメジストチャオはツバを飛ばす。
すかさずつま先を地に付け、すばやくアメジストチャオを蹴り上げる。
アメジストチャオの吐いたツバは、アメジストチャオ自身にかかります。
空中のアメジストチャオに、ローリングソバットをかまします。
壁に激突し、ふらふらと立ち上がるアメジストチャオ。

「最後のチャンスだ。オレの名前を、言ってみろ。」
攻撃的な瞳でアメジストチャオを威圧する、エメラルドダークカオス。

「エメラルド…。」
そこまで言った時、アメジストチャオの身体が崩れ落ちます。
しかし、しゃがみこんだその状態を維持しながら、アメジストチャオは叫びます。


「エメラルドダークカオス様ぁ!!」


つづく。

このページについて
掲載号
週刊チャオ第124号
ページ番号
13 / 28
この作品について
タイトル
チャニックアドベンチャー2後日談チャミー編
作者
あさぼらけ
初回掲載
週刊チャオ第121号
最終掲載
週刊チャオ第128号
連載期間
約1ヵ月19日