ジュエリスト(その4) ページ1
前回のあらすじ。
海と大地のハザマにあるという、バイチャオンウエル。
全ての魂の帰る場所とも言われるそこは、地上ビトの邪念により、淀んだ世界となっていた。
我等がチャミーは、その淀みを浄化すべく、ジュエル四天王に闘いを挑んだ。
チャミーのチャオチカラにより、見事浄化されたルビーチャオに、サファイアチャオ。
しかし次の相手、エメラルドチャオは一筋縄ではいかなかった。
水中金網デスマッチのこの試合。
ニュートラオヨギタイプのエメラルドチャオに、めちゃ有利だった。
そして、チャミーは驚愕の事実をしる。
エメラルドチャオはチャミーの幼馴染、チャビンの進化した姿だったのである。
その頃、その異様な姿から「エイリアン」と呼ばれ、からかわれてたチャビン。
しかしチャミーだけは、普通のチャオと同じ様に接していた。
誰とでも仲良くしていたチャミー。チャビンは、チャミーが自分の悪口を言いふらし、みんなで自分を笑ってるのでは?と疑念の思いを持つようになる。
その復讐のため、修行に励んだチャビンはいつしか、エメラルドチャオになったのである。
チャミーのチャオチカラを持ってしても、エメラルドチャオの浄化は容易ではなかった。
水中金網デスマッチの水に苦しむチャミー。
チャミーは超絶必殺技・鳳凰天舞を発動させる。
水は吹き飛び、エメラルドチャオも上空高く吹き飛ぶ。とどめの追撃に、チャミーは地面を蹴る。
そして迫りくるチャミーに、自らの敗北を悟るエメラルドチャオ。
エメラルドチャオは、自分のチャオのアレを飲み込み、それに己の全てのチャオチカラを集中させ、吐き出した。
エメラルドチャオのチャオのアレがはるか彼方の森へと消えていった時、チャミーの必殺券が炸裂。
チャオのアレの無くなったエメラルドチャオは、そのダメージにより、消滅してしまった。
勝ち名乗りを受けるチャミー。
すぐに次の試合、アメジストチャオ戦が開始されるのであるが、アメジストチャオはチャミーの身体を癒す為、一週間後に再開しようと持ちかけた。
チャミーのチャオパワー。あなどりがたし。
アメジストチャオはその脅威に、対抗策を講じる時間が欲しかったのである。
そのころ、遠く離れた森の中に、エメラルド色の卵の殻が転がっていた。
そのすぐそばに、1人のチャオがいた。
「おのれチャミー。絶対許さんぞ。ぼけぞうめぇ、手抜きしやがってぇ!」
チャミーのチャオチカラに対抗するには、どうしたらいいか?
アメジストチャオはジュエル城に戻ってきた。
ここの書庫に、なにかの手がかりああるかもしれない。
「よう、アメジスト。」
そんなアメジストチャオの前に、1人のチャオが現れた。
ニュートラノーマルのそのチャオは、まだ子供だった。
その身体の色は、アメジストチャオにも見覚えのある色だった。
「まさか、エメラルドチャオか?」
エメラルド色のチャオは、にっこりとうなずく。
「ぷぷぷ、あ~はっはっは。」
そんなエメラルドチャオを見て、アメジストチャオが笑う。
「な、なにがおかしい?」
むっとして聞き返すエメラルドチャオ。
以前は、エイリアンの異名をとったエメラルドチャオ。しかし今は、普通のかわいいノーマルです。
「おまえ、かわいくなったなあ。ぷぷぷ。」
アメジストチャオは、エメラルドチャオの頭の上に浮かぶ球体をちょんちょん小突きます。
「わ、わ、なにをする、やめろ~。」
球体の揺れにあわせ、いや、球体の揺れに少し遅れて身体を揺らす、エメラルドチャオ。
アメジストチャオは、揺れる球体を握ります。
「ふん、あのエメラルドチャオの成れの果てか。醜いものだ。ジュエルチャオの恥さらしめ!」
アメジストチャオが球体をぶん投げると、エメラルドチャオの身体も飛んでいきます。
壁に激突し、なんとか立ち上がったエメラルドチャオ。
「うお~~!ボクを、ばかにしたな。うわ~~ん!」
エメラルドチャオは泣きながら、その場を走り去ります。
「ふん、あんな生き恥さらしたヤツに付き合ってる場合じゃなかったよな。」
アメジストチャオは、書庫でチャミーのチャオチカラに対抗する手段を探し始めます。
「うお~~。アメジスト、チャミー!!絶対許さないぞお!」
ジュエル城の地下室で、エメラルドチャオはジュエル城に伝わる禁断の進化の秘宝を使います。
「貴様等への恨みが、ボクの成長を早めるぅう!」
地下室に差し込む外の光り。
それに映し出されたエメラルドチャオのシルエットが、徐々に大きくなります。
そして、その頭から二本の突起物が現れます。
「ばいば~い。」
「またね~。」
近所のお子チャオ達と別れるチャミー。
チャミーは楽しいひと時の余韻を引きずり、家路に着きます。
その途中、向こうから1人のチャオが歩いてきます。
深緑色をした、ニュートラノーマルのチャオです。
どこかで会ったような?
そう思いながら、チャミーとその深緑色のチャオがすれ違います。
「貴様より強いチャオがいることを、教えてあげよう。」
深緑色のチャオは、