第三話『集結』
ドビューの口笛により、まだあどけない姿のチャオ達が集まってきた。
ドビュー「みんな聞いてくれ!この街は、アス軍という悪い軍団に破壊されたんだ。オレはこれから、そいつらを倒すための旅に出る。でも、オレ一人じゃアス軍には勝てない……だから、みんなの力を貸して欲しい。誰か……誰か、オレと一緒に来てくれないか?」
クロード「くろーど、どびゅうといく。たび、する」
???「……っ!クロードだって!?おい、まさかこの人は大佐なのか?」
一人のチャオがドビューに問い掛けた。
ドビュー「知っているのか?大佐を……。君はアー…」
ドビューの言葉は、そこで遮られた。
???「そうだよ!俺はアーツ隊のントだ。君は?」
ドビュー「オレはドビューだ。すまないが、ントという名前は思い出せない……オレもアーツ隊に居たんだが…」
その時、ントの表情が変わった。
ント「……ドビューなのか?俺の事、本当に思い出せないのか?」
何かがドビューの記憶を刺激したが思い出せなかった。
ドビューは首を横に振った。
アーツ隊には、チームと呼ばれるものがあり、それぞれのチームは2タイプのチャオ達で構成されている。タイプにはいくつか種類があり攻撃型、防御型、突破型等が代表的である。
ドビューは攻撃型、ントは突破型であり、二人は同じチームだった。
つまり二人は相棒だった。
だが、ドビューはそれを覚えていない。覚えているのは、ントだけ……
ドビュー「オレは君を思い出せないが、オレを知ってるんなら、一緒に居ても何かと助かる。オレと一緒に来てくれるか?」
ント「おう!当たり前じゃねぇか。俺もアス軍を倒したいからな」
ドビュー「そうか。ありがとう。大佐はどうする?」
ント「連れて行こう。大佐の記憶が戻れば、手助けになるかもしれない」
ドビュー「そうだな。でも、この状態じゃ戦えない……だから、大佐を護りながらの戦いになる。それでも…」
また、ドビューの言葉が遮られた。
ント「心配すんなって。俺達いつだって、ピンチを切り抜けて来たじゃん。今度も大丈夫だよ!」
ドビューにはントの言葉を素直に受け止める事が出来た。
夜が明けてきた。
だがまだ、世界は闇に包まれている。
その闇を晴らす為、三人の戦士がここに集まった。
初めての朝を瞳に受けて。
続