三章 つづきから
さて、ろっどの物語には続きがあります。
色々あってチャオBBSという枠の中から飛び出してSplatoonという大きな海に飛び出したろっど。
もっと自分の力を試してみたい。
自分の情熱と信念がどこまで通用するのか確かめたい。
その一心で勝ち負けが全ての世界に臨みました。
青春ですね!
しかしそこは、ぼくの思っていた世界とは違うものでした。
その話をするためにはまずシトラという男の話をしなければなりません。
Splatoonにおけるぼくにはライバルがいました。
それがシトラです。
彼は優れたSplatoonプレイヤーがでした。
彼と競い合うことで、いつしかぼくたちは才能ある者たちだけが辿り着くことのできる舞台で戦うに相応しい実力を得ました。
そしてぼくたちは強者たちを倒し、優勝したのです。
ところがシトラは直後、舞台から降りてしまいました。
きっかけは――今にして思えばつまらないトラブルだったように思います。
突き詰めれば負け犬の遠吠えが思ったより大きかったという話でしかありません。
彼の心が折れた原因は「民意」でした。
正体の分からない敵を前にして、ぼくは何もできませんでした。
個人が敵であれば理屈でねじ伏せればよいでしょう。ですがその時の敵は「彼を糾弾する集団」が生み出す「民意」でした。
とある人が言いました。「喧嘩している相手と仲良くなるのが一番」だと。
でもぼくの信念は異を唱えました。
「間違ったことをしているのは相手の方なんだから、相手が改めるべきだ」
そのぼくの信念は「戦う相手のいない」状況では無力でした。
シトラはいなくなり、ぼくは1人になりました。
もちろん一緒に遊んでくれる仲間はたくさんいました。ぼくの実力を認めてくれる人もいっぱいいました。
ただ、心に決めた相手がいなくなっただけなのです。