第八話 敵将七人、ついに現る! (レイラ編)

レイラ「・・・こいつ、なかなかのやり手だな・・・」

グラーフ「―バレグ・エルマ・アヴェイ(行け・氷・槍)」

レイラ「―エルマ・クレイ(氷・盾)」

勝負のつかない魔法合戦。どちらも、得意とするのは氷魔術のようだ。

レイラ「次はこっちから行かせてもらうよ! ―ヒール・エルマ・ヒアム(作る・氷・龍)」

レイラ「―バレグ!(行け)」

レイラの作った氷龍は、鋭い牙をむきながら、グラーフに突進していった。

ドーン・・・

鈍い音とともに、氷龍はグラーフに突っ込んだ。

レイラ「・・・やったか?」

グラーフ「―バレグ・ノース」

シュォォッ・・・・

倒されたかのように見えたグラーフは、炎で氷を溶かし、何事もなかったかのように服に付いた氷をはらった。

グラーフ「あなたの力はその程度ですか?もっと楽しませてくれるかと思いましたが・・・」

レイラは、今までにない殺気を感じ、後ずさった。

グラーフ「では、久しぶりにあの技をお見せしましょう。・・・冥土の土産にね。」

グラーフはそういうと、長い魔法詠唱に入った。

グラーフ「この世の終わりを告げるただ一人の尊き神、ダーク・カオスよ、我に力を与えたまえ。氷の神ウンディーネの名において、神の裁きを下す。・・・フリージング・セイヴ・・・」

グラーフの持つ氷の槍が一段と青く輝き始めた。

その槍を頭上にかざし、グラーフは叫んだ。

グラーフ「神の裁きを!」

レイラが危険だと気付いた時にはもう遅かった。

青く輝く無数の槍が弾丸のようにレイラに襲い掛かったのだった。

レイラ「・・・っく・・・こんなやつに・・・クロウ・・・ごめん・・・」

このページについて
掲載号
週刊チャオ第158号
ページ番号
14 / 21
この作品について
タイトル
理想郷へ ―果てしなき世界―
作者
桜(フィルァ,チャチャ,飛諏珂)
初回掲載
週刊チャオ第153号
最終掲載
週刊チャオ第163号
連載期間
約2ヵ月12日