第七話 草原を駆ける男(中編)
魔物が巣食う上、草の生い茂る草原を進むのは、思いのほか時間がかかり、予定外だったが草原で野宿することとなった。
フローラ「え~、こんなところで野宿するんですかぁ?」
クロウ「仕方ないだろ。思いのほか魔物の数も多いし、このまま進むには危険すぎるからな。」
ファング「いくらテントがあっても危ないことには変わりない。交代で見張りをしようぜ。」
ミラ「フローラとレイラは寝かせてあげて。フローラはまだ小さいし、レイラは魔物との戦いで魔力を消費してるし・・・」
クロウ「分かった。レイラ、無理はするなよ。」
レイラ「・・・迷惑かけてごめん。フローラに足の怪我は治してもらったけど、魔物と戦った時に魔力を消費しすぎた。」
レイラの言うとおり、魔力にも限界がある。そのため、あまり魔力を消費しすぎると危険なのだ。
ファング「さてと。まずは俺が見張りをするから、お前らは寝てろ。」
ミラ「んじゃぁ、お言葉に甘えて、寝るとしますかw」
クカー・・・スゥー・・・
かすかな寝息が聞こえる。
時間は夜中の2時を過ぎ、見張りはクロウに交代されていた。
クロウ「うぅー・・・さすがに眠い・・・」
さすがに夜中の2時での見張りは辛いようで、クロウは少しうとうとしてしまった。
クロウ「Zzz・・・はっ?・・・いけねぇ、寝てたみたいだ・・・」
と、クロウがあたりを見回してみると・・・
クロウ「なんじゃこりゃぁぁぁぁぁ!?」
あまりの大声に、テントで寝ていた全員が目を覚ました。
ミラ「もぅ・・・せっかく寝てたのに、なんでそんな大声出すのよ・・・?」
不満タラタラ、ミラもおそるおそる外へ出てみた。
ミラ「なんじゃこりゃぁぁぁぁ!?(壊)」
全員「なんじゃこりゃぁぁぁぁ!?(壊)」
・・・全員が壊れたのは言うまでもない。
テントのまわりをびっしりと魔物に囲まれていたのだ。
ファング「?なんてこった・・・」
レイラ「・・・魔物の数、およそ100匹。かなりきついよ?これ・・・」
クロウ「よく冷静でいられるな?レイラ・・・」
フローラ「とりあえずぅ・・・戦わないとダメみたいですねぇ?」
ファング「・・・よし!皆行くぞ!」
全員「おぅ!」